この記事の結論:結婚式場のホームページリニューアルは、見た目の作り直しより先に、フェア予約までの道と、情報を更新する手順を作り直す仕事として進めます。手順は、①今のサイトの棚卸し、②残すページと転送の対応表、③情報の正本とCMSの更新担当、④フェア予約までの道から組むページ構成、⑤スマホの予約フォームと確認メールの通しの確認、⑥計測の引き継ぎ、⑦公開日の段取り、⑧公開後4週間の見比べ、の8つです。中でも、検索から人が来ているURLを転送で引き継ぐことと、公開の前に実機のスマホで予約を送信完了まで通し、確認メールが予約した人と式場の両方に届くのを見届けることは、省くと公開した日から予約を取りこぼします。
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この記事は、結婚式場やホテルの婚礼部門で公式サイトの作り直しを任された支配人・Web担当の方と、式場のサイトを引き受ける制作・開発の方に向けています。扱うのは、リニューアルを始めてから公開後4週間までの「全体の順番」と、それぞれの段階で決めることです。リニューアルの期間に比較サイト(婚礼ポータル)と公式サイトの情報を食い違わせない運用と、CMSの権限・承認フローは、ポータルとずれない承認フローの記事で扱っています。デザインの好みや、特定の式場・制作会社の事例、費用は扱いません。結婚式場のWeb集客と予約の全体像は、結婚式場の業種別ガイドにまとめています。
結婚式場のホームページリニューアルは、予約の入口と更新の手順を作り直す仕事
結婚式場のホームページを作り直すきっかけは「古く見える」ことが多いのですが、リニューアルで本当に直すべきなのは、フェアの予約までの道と、情報を更新する手順のほうです。見た目だけを新しくしても、予約フォームがスマホで使いにくいままだったり、フェアの日程を直せる人が社内にいないままだったりすると、公開してしばらくすると元の困りごとに戻ります。
リニューアルを考え始めたら、次の表のような兆しがどこに出ているかを先に確かめます。どの行に当てはまるかで、リニューアルで力を入れる場所が変わります。
| 出ている兆し |
確かめる場所 |
リニューアルで直すこと |
| フェアの予約が、比較サイト経由に偏っている |
予約の台帳の入口ごとの件数 |
公式サイトのフェア一覧から予約完了までの道 |
| スマホで予約フォームの途中でやめる人が多い |
GA4のフォームの開始と送信の数 |
フォームの項目・日程の選び方・入力のしやすさ |
| フェアの日程や特典を直すたびに制作会社へ頼んでいる |
更新の依頼の記録 |
CMSの作りと、社内で直せる範囲 |
| AIの答えや検索結果で、会場の人数やプランを取り違えられる |
実際にAIや検索で聞いてみた結果 |
本文に文字で書く情報と、構造化データ |
| 写真が重く、ページがなかなか表示されない |
Search Console の Core Web Vitals のレポート |
写真の出し方と、外部のタグ |
表の右の列が、このあとの8つの手順で扱う中身です。兆しが一つも出ていないなら、全面的な作り直しではなく、困っているページだけを直すほうが早く済むこともあります。
リニューアルの範囲は、残すもの・直すもの・新しく作るものに分ける
リニューアルで最初に決めるのは、今のサイトから何を残し、何を直し、何を新しく作るかです。全部を作り直す前提で始めると、検索から人が来ていたページや、予約が入っていたページまで消してしまうことがあります。
| 区分 |
当てはまるもの |
決めること |
| 残す |
検索から人が来ているページ、フェアの予約が入っているページ、比較サイトやSNSからリンクされているURL |
URLを変えないか、変えるなら転送先 |
| 直す |
フェア一覧と予約フォーム、プランと料金の条件のページ、会場の基本情報(人数・アクセス・駐車場) |
情報の正本と、CMSで直す人 |
| 新しく作る |
AIや検索に答えるための会場の基本情報のページ、よくある質問、挙式レポートの置き場所 |
誰が書き足し続けるか |
写真は「残す」に入れる前に、使える範囲を確かめます。旧サイトで使っていた写真でも、撮影した会社との取り決めや、写っている新郎新婦の掲載の了解が、新しいサイトでの使い方(大きく使う、LPやSNSにも使う、など)まで及んでいるとは限りません。挙式の写真の掲載の了解の取り方は、挙式レポートと写真ギャラリーのCMS設計の記事にまとめています。
結婚式場のホームページリニューアルは、8つの手順で進める
結婚式場のホームページリニューアルは、棚卸しから公開後4週間の見比べまでの8つの手順で進めます。この順番にするのは、残すURLと情報の正本が決まらないうちにページを作ると、公開の直前に転送の設定や原稿の差し替えが一度に押し寄せるからです。
手順1. 今のサイトの棚卸しをする
最初の手順は、今のサイトにあるものを1枚の表にすることです。行はページ(URL)ごとにし、列には、検索からの訪問の多さ、フェアの予約が入っているか、外からのリンクがあるか、使っている写真の出どころ、誰がどこで更新しているか、を並べます。
URLの一覧は、サイトマップ、CMSの投稿の一覧、Search Console の検索結果のレポート(どのページが表示されているか)、GA4のページごとの数字を合わせて作ります。Googleのサイト移転の手引きも、旧URLの一覧を作るときに、サイトマップ、アクセスの記録、Search Console のリンクのレポートから重要なURLを洗い出すことをすすめています。画像やPDFのURLも一覧に入れておきます。
手順2. 残すページと、転送の対応表を作る
二つ目の手順は、旧URLのそれぞれに、新しいサイトのどのURLを当てるかを決めた対応表を作ることです。URLを変えずに済むページは変えないのがいちばん手間が少なく、変える場合は、内容のいちばん近い新しいページへ1対1で当てます。
Googleのサイト移転の手引きは、サーバー側の恒久的な転送(301や308)を使うこと、転送を何段も重ねないこと、転送はできるだけ長く、一般的には1年以上残すことを挙げています。また、多くの旧URLを新しいサイトのトップページのような関連の薄い1ページへまとめて転送すると、利用者が迷い、soft 404 と扱われることもあるとしています。終わったフェアや古いプランのページは、近い内容のページへ当てるか、当てる先が無ければ転送しないで閉じるかを、表の中で1行ずつ決めます。ドメインごと変わる場合は、Search Console のアドレス変更ツールも使います(同じドメインの中でパスが変わるだけなら要りません)。
比較サイトの掲載やSNSのプロフィールに入れている公式サイトのURLも、同じ表に載せます。ここは式場が自分で書き換えられる数少ない外からのリンクだからです。書き換えの担当と、変更を止める期間の決め方は、ポータルとずれない承認フローの記事に書きました。
手順3. 情報の正本と、CMSで直す人を決める
三つ目の手順は、会場の基本情報・プラン・フェアの日程と特典のそれぞれについて、正本(正しい記録)をどこに置き、誰が直すかを決めることです。リニューアルの後は、新しいサイトのCMSを正本にし、比較サイトやLPへは同じ言葉で写す形にすると、どこを直せばよいかで迷わなくなります。
CMSは、機能の多さより、フェアの日程や満席のように毎週動く情報を、社内の担当が制作会社に頼まずに直せるかで選びます。選び方は結婚式場サイトのCMSの選び方の記事に、日程・特典・予約枠を1か所で持って一覧と予約フォームに反映させる作りはフェア情報をCMSで更新する記事にまとめています。比較サイトと公式サイトの役割の分け方は、比較サイトと公式サイトの役割の記事で扱っています。
手順4. ページの構成を、フェア予約までの道から組む
四つ目の手順は、トップページのデザインからではなく、「フェアの一覧を見る→日程を選ぶ→予約を送る」までの道から、ページの構成を組むことです。どのページからでも、フェアの一覧と次の開催日に1回でたどり着けるようにし、プランのページや会場のページにも、その内容に合うフェアへのリンクを置きます。
AIの答えや検索結果で取り違えられないように、着席の人数の幅、プランに含まれるもの、アクセスと駐車場、フェアの日程と内容は、画像やPDFの中だけでなく本文に文字で書きます。会場の基本情報は1ページに集め、構造化データでも同じ内容を伝えます。どの情報をどのページに置くかは結婚式場のAI検索対策の記事、プランと料金の見せ方は見積もり・プラン比較ページの記事、写真を軽く出す作りは式場サイトの写真と表示速度の記事で扱っています。
手順5. 予約フォームを、スマホで送信完了まで通す
五つ目の手順は、新しいサイトの予約フォームを、公開の前に実機のスマホで最初から送信完了まで通すことです。リニューアルで最も避けたいのは、見た目は整ったのに、送信ボタンが押せない、確認メールが届かない、という状態で公開することです。
確かめるのは、少なくとも次の4つです。iPhoneとAndroidの両方で、フェアの一覧から日程を選んで送信完了の画面まで進めるか。予約した人への確認メールと、式場の受付への通知メールの両方が届き、迷惑メールに入っていないか。満席の日程を選べない作りになっているか。予約の台帳に1件として入るか。メールは送り元のドメインが変わると届き方が変わることがあるので、サーバーや送信の仕組みを入れ替えた場合は特に念入りに見ます。実装の確かめ方はフェア予約フォームのスマホ実装の記事、予約を一つの台帳に集める考え方は予約管理システムで業務改善する順番の記事にまとめています。
手順6. 計測を、切り替えの前後で途切れさせない
六つ目の手順は、旧サイトと新しいサイトで、フェア予約の数え方を同じにしておくことです。切り替えの前後で数え方が変わると、リニューアルの後に予約が増えたのか減ったのかを比べられなくなります。
新しいサイトにも同じGA4のプロパティのタグを入れ、フェア予約のイベントの名前と、何をもって予約1件とするか(予約完了の画面の表示か、送信の成功か)を旧サイトと同じにします。予約完了の画面のURLが変わる場合は、URLで数えていた設定を直します。公開前のテストの送信は、本番の数字と予約の台帳に混ざらないよう、テストの印を付けて分けます。イベントの名前の決め方と、予約から来館・成約までをつなぐ方法はGA4とCRMで追う記事、フォームのどの項目で止まっているかを測る方法は項目ごとの離脱をGA4で測る記事にあります。
手順7. 公開日の段取りを、時刻つきで決める
七つ目の手順は、公開の当日に誰が何をどの順で確かめるかを、時刻つきの表にしておくことです。Googleのサイト移転の手引きは、できればアクセスの少ない時間帯に移転することをすすめています。式場なら、予約の台帳で予約の入りにくい曜日を選び、大きなフェアの告知の直前は避けます。
当日は、予約に直結するものから確かめます。最初にフェアの予約フォームを実機のスマホで通して確認メールが両方に届くのを見届け、次に転送の対応表を上から順に開き、そのあとで新しいサイトマップを Search Console に送ります。作業用のサイトで付けていた noindex や、検索に出さないための設定が、本番に残っていないかもこの時に確かめます。
手順8. 公開後4週間は、検索と予約を週ごとに見比べる
最後の手順は、公開から4週間、検索での表示とフェアの予約を週ごとに旧サイトの時期と見比べることです。Googleの手引きでは、移転の間は順位が一時的に揺れることがあり、中規模のサイトで新しいURLに置き換わるまで数週間以上かかることがあるとされています。少しの揺れで慌てて作り直さず、決めた項目を毎週同じ順で見ます。
| 時期 |
見ること |
見る場所 |
| 公開の翌日 |
旧URLが404になっていないか、予約が台帳に入っているか |
対応表、予約の台帳 |
| 1週目 |
送ったサイトマップのURLが登録されているか、主なページの登録状況 |
Search Console のサイトマップと URL 検査 |
| 2〜3週目 |
検索で表示されているページと語が、旧サイトのものから入れ替わっているか |
Search Console の検索結果のレポート |
| 4週目 |
フェアの予約数と、スマホのフォームの送信の割合を、公開前と比べる |
予約の台帳、GA4 |
主なページ(トップ、フェア一覧、プラン、会場の基本情報)は、URL 検査でインデックス登録をリクエストできます。予約が減ったときの原因の切り分け方はフェアの予約が減ったときの記事、毎月見る数字の決め方は毎月見る数字の記事にまとめています。
比較サイトやLP、Googleマップの情報も、公開と同じ日にそろえる
公式サイトを作り直したら、外にある情報も公開と同じ日にそろえます。比較サイトの掲載、フェアやプランのLP、Googleのビジネスプロフィールに、旧サイトのURLや古いプラン名が残っていると、新しいサイトで直した内容と食い違います。
比較サイトとの食い違いを防ぐ運用はポータルとずれない承認フローの記事、LPを公式サイトの正本からどう写すかはブライダルLPを作って回す全体像の記事、ビジネスプロフィールの整え方はGoogleビジネスプロフィールの記事に分けて書いています。この記事では繰り返さず、公開日のチェックリストに「そろえる先の一覧」を入れておくことだけを手順にしています。
やってはいけないこと
リニューアルでよく起きる失敗は、作る技術よりも、確かめる順番を飛ばしたことから起きます。次の4つは、公開した日から予約や検索に響くので避けます。
ポイント1. 旧URLをまとめてトップページへ転送する
対応表を作る手間を省いて、すべての旧URLをトップページへ転送すると、フェアやプランのページを探して来た人がトップで迷います。Googleの手引きも、多くの旧URLを関連の薄い1ページへ転送することを避けるよう書いています。近い内容のページへ1対1で当てます。
ポイント2. パソコンだけで予約フォームを確かめる
制作の確認はパソコンの画面で進むことが多いのですが、フェアを予約する人の多くはスマホから来ます。日程の選び方や入力欄の並びは、実機のスマホでないと気づけない引っかかりが出ます。公開の前の通しの確認は、必ず実機のスマホで行います。
ポイント3. 確認メールの到着を、どちらか片方しか見ない
予約した人に届いても、式場の受付への通知が届かなければ、予約に気づかず連絡が遅れます。逆も同じです。テストの送信では、予約した人の受信箱と、式場の受付の受信箱の両方を開いて確かめます。
ポイント4. 作業用のサイトの設定を、本番に持ち込む
作業用のサイトで付けていた noindex や、検索に出さないための設定、パスワードの制限が本番に残ると、新しいサイトが検索に出ません。公開日の段取りに、この確認を1行入れておきます。
公開日のチェックリスト
結婚式場のホームページリニューアルの公開日に、次の項目を上から順に確かめます。予約に直結するものを先に並べています。
自社でやる場合と、任せる場合
自社で進める場合は、棚卸しと対応表を作る人、情報の正本を決めて原稿をそろえる人、予約フォームとメールを通しで確かめる人、公開後に数字を見比べる人の4つの役目が要ります。制作を外の会社に頼む場合でも、どのページに予約が入っているか、どのフェアを押すか、予約した人への連絡がきちんと届いているかを判断できるのは式場側なので、手順1の棚卸しと手順5の通しの確認には式場の担当が立ち会います。CMSの管理者のアカウント、GA4とSearch Consoleの権限、ドメインの管理は、任せる先が変わっても運用を続けられるよう、式場側の持ち物にしておきます。
任せる場合、株式会社bundlyzeでは、結婚式場のWeb集客の一部として、フェアやプランのLP運用も行っています。外部のWeb責任者として戦略から実行・分析までを担い、サイト制作やシステム開発もあわせてお受けしているので、棚卸しから公開後の見比べ、予約の台帳とのつなぎ込みまでをひと続きで受け持てます。大阪・兵庫を中心とした関西の事業者の方とお仕事をしています。高知や沖縄など遠方の方のご相談は、オンラインでもお受けしています。サイトの作り直しのご相談はホームページ制作の案内ページから受け付けています。外の会社と分担するときの表は、外部のチームとの分担の記事にまとめています。
出典(一次情報)
検索とSearch Consoleについての説明は、次のGoogleの公式の資料に基づいています。確認日はどれも2026年10月12日です。Googleのドキュメントは改定されることがあるので、作業の前に最新のものを確かめてください。
- サーバー側の恒久的な転送(301・308)、転送を重ねないこと、転送を一般的に1年以上残すこと、関連の薄い1ページへまとめて転送しないこと、アクセスの少ない時間帯の移転、移転中の順位の一時的な揺れ、アドレス変更ツールが要る場合 → Google 検索セントラル「サイト・ホームページ移行について(URL が変わる場合)」
- サイトマップの作り方と Search Console からの送り方 → Google 検索セントラル「サイトマップの作成と送信」
- URL 検査で登録状況を確かめ、インデックス登録をリクエストすること → Search Console ヘルプ「URL 検査ツール」