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結婚式場の比較サイトと自社サイトの役割分担。公式サイトに何を置けば、比較サイト経由の人にもAIにも正しく伝わるか

結婚式場の比較サイト(口コミサイト・ポータル)と自社サイトは、役割が違います。比較サイト経由の人とAIの両方に正しく伝わるように、自社サイトに置く公式の情報、構造化データ、情報のずれを防ぐ台帳の持ち方を整理します。

この記事の結論:結婚式場の比較サイト(口コミサイト・ポータル)と自社サイトは、どちらか一方を選ぶものではなく、役割を分けて使うものです。比較サイトは、まだ式場を決めていないカップルに「候補として見つけてもらう場」、自社サイトは、候補に入れた人やAIが「公式の情報を確かめに来る場」です。自社サイトには、比較サイトの掲載枠では書ききれない条件や、会場の基本情報の正本を文字で置きます。そして、会場名・住所・プラン名・特典の条件を1枚の台帳で管理し、自社サイトを先に更新してから各掲載先へ同じ言葉で写すと、比較サイト経由の人にもAIにも、同じ内容が伝わります。

式場の情報は、いまや自社サイトだけでなく、複数の比較サイトや地図の店舗情報にも載っています。ここでは、掲載先が増えたときに起きる「情報の食い違い」をどう防ぐかを、サイトを作る側の立場から整理します。特定の比較サイトをすすめる意図も、良し悪しを評価する意図もありません。

書き手の立場:株式会社bundlyzeでは、LLMO(AIの答えに正しく載るための取り組み)を自社の会社サイトで実践し、会社の説明を本文と構造化データでそろえた経過を公開しています。

比較サイトは「見つけてもらう場」、自社サイトは「確かめに来る場」

比較サイトと自社サイトは、カップルが式場を選ぶ流れの中で、出てくる場面が違います。役割を分けて考えると、自社サイトに何を書くべきかがはっきりします。

観点 比較サイト(口コミサイト・ポータル) 自社サイト
主に来る人 エリアや予算から、まだ候補を探している人 会場の名前で検索した人、比較サイトで候補に入れた人
強いところ 多くの会場を並べて比べられる。口コミが集まる 掲載枠の制約がなく、条件まで詳しく書ける
情報の形 比較サイトが決めた項目と枠に合わせる 自社で項目と順番を決められる
AIから見た位置づけ 第三者のサイトに載っている情報 会場自身が出している公式の情報
自社で直せる範囲 掲載の管理画面で触れる項目だけ すべて

比較サイトで見つけてもらったあと、多くの人は会場の名前で検索し直して、写真や条件を確かめます。そのときに自社サイトの情報が古かったり、比較サイトと食い違っていたりすると、そこで迷いが生まれます。

自社サイトに置くのは、比較サイトに書ききれない公式の一次情報

自社サイトには、比較サイトの掲載枠には収まりにくい「条件つきの情報」と、会場の基本情報の正本を置きます。比較サイトの説明文を写すのではなく、カップルが最後に確かめたいことを、自社の言葉で文字にします。

情報 自社サイトに置く理由 書き方のポイント
会場の正式名称・住所・電話・定休日 すべての掲載先の元になる正本だから 1ページにまとめ、表記を1通りに固定する
人数ごとの使える会場(バンケット) 着席・立食・少人数の条件は枠に収まりにくい 「着席で何名から何名まで」のように条件ごと書く
プランに含まれるもの・含まれないもの 見積もりの差が出やすく、問い合わせが多い 含まれる項目と、別料金になる項目を表で分ける
特典の条件 期間・対象・適用の条件を正確に伝える必要がある 掲載先と同じ言葉で、条件をすべて書く
持ち込み・送迎・駐車場の扱い ゲストの事情で決め手になりやすい 可否だけでなく、何が必要かまで書く
フェア・見学の受付 日程が頻繁に変わる 終わった日程を残さず、予約の入口を1つにする

ここで大事なのは、画像やPDFの中だけに情報を置かないことです。パンフレットの画像に書いた条件は、人には読めても、検索エンジンやAIには文字として伝わりにくくなります。

情報のずれは、1枚の台帳と更新の順番で防ぐ

比較サイトと自社サイトの情報のずれは、更新の担当や順番が決まっていないことから起きます。項目ごとの正本の値を1枚の台帳に持ち、「自社サイト → Googleの店舗情報(ビジネスプロフィール) → 各比較サイト」の順で写す運用にすると、ずれが起きにくくなります。

台帳は、スプレッドシートで十分です。

項目 正本の値 自社サイト ビジネスプロフィール 比較サイトA 比較サイトB 最後に確かめた日
会場の正式名称 (正本の表記) 反映済み 反映済み 反映済み 要修正 2026-10-01
定休日 (正本の値) 反映済み 反映済み 反映済み 反映済み 2026-10-01
特典の条件 (正本の文言) 反映済み 対象外 反映済み 未掲載 2026-10-01

表の値は、記入の形を示すための例です。運用は次の順で進めます。

  1. 項目ごとに正本を決める。 名称・住所・電話・定休日・プラン名・特典の条件など、ずれると困る項目を書き出す
  2. 変更は、まず台帳に書く。 誰が・いつ・何を変えたかを残す
  3. 自社サイトを先に直す。 公式の情報がいちばん新しい状態にしておく
  4. 各掲載先へ、同じ言葉で写す。 言い換えず、表記もそろえる
  5. 反映できたかを確かめて、日付を入れる。 掲載先の反映に時間がかかるものは「要確認」のまま残す
  6. 月に1回、全項目を見直す。 特典の期限切れや、終わったフェアの残りがないかを見る

特に気をつけたいのは、プラン名や特典の名前を掲載先ごとに少しずつ変えてしまうことです。同じものに別の名前が付いていると、人もAIも別のものだと受け取ります。

構造化データでは、比較サイトの掲載ページを「同じ会場」としてつなぐ

自社サイトの構造化データでは、比較サイトに載っている自社の掲載ページを、同じ会場のページとして示せます。Googleの組織の構造化データの説明では、sameAs に、ソーシャルメディアや口コミサイトにある組織のプロフィールページのURLを入れる例が挙げられています。

会場案内ページの構造化データ(例)json
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "LocalBusiness",
  "name": "(会場の正式名称)",
  "url": "https://www.example.com/",
  "telephone": "(代表電話)",
  "address": {
    "@type": "PostalAddress",
    "addressRegion": "(都道府県)",
    "addressLocality": "(市区町村)",
    "streetAddress": "(番地)"
  },
  "sameAs": [
    "https://(比較サイトAの掲載ページ)",
    "https://(比較サイトBの掲載ページ)",
    "https://(公式SNSのプロフィール)"
  ]
}

値は、本文に見えている内容と同じにします。構造化データにだけ書いた情報は、ガイドライン上の問題になるうえ、人には見えないので、ずれに気づきにくくなります。

一方で、比較サイトの評価の点数を、自社サイトの構造化データに入れるのはやめておきます。Googleのレビューの構造化データのガイドラインでは、ほかのサイトの口コミや評価を集計に含めないよう求めています。また、評価される側の会場が自分で口コミを扱っている場合、LocalBusiness や Organization の口コミは、星の表示の対象になりません。

口コミは比較サイトに任せ、自社では書かない・書かせない

口コミは、比較サイトのように第三者の場に集まるからこそ参考にされます。自社でできるのは、良い口コミを増やす工作ではなく、口コミで指摘されたことを自社サイトの情報や運営で正すことです。

2023年10月1日から、広告であることを隠した表示(いわゆるステルスマーケティング)が、景品表示法の不当表示として規制されています。消費者庁の説明では、事業者が依頼したSNSの投稿やレビューも対象になり得ます。作る側としては、次の点を運用の決まりとして文書にしておくと安心です。

  • 社員や関係者が、お客様のふりをして口コミを書かない
  • 特典と引き換えに口コミを頼む場合は、その扱いを消費者庁の説明で確かめてから決める
  • 比較サイトの口コミを自社サイトに載せるときは、利用規約で認められているかを先に確かめる
  • 口コミへの返信は、比較サイトの返信機能の中で行い、事実と違う点は落ち着いて訂正する

特典と価格の条件は、どこで見ても同じ言葉にする

特典や価格の条件は、掲載先ごとにずれると、お客様に不利な誤解を生みます。正本の文言を1つ決めて、すべての掲載先に同じ言葉で載せます。

景品表示法では、価格や取引の条件について、実際より著しく有利だと消費者に誤認させる表示を「有利誤認表示」として禁止しています。消費者庁の説明では、故意かどうかに関係なく違反になり得るとされています。比較サイトと自社サイトで条件の書き方が違い、片方だけ条件が省かれている状態は、意図がなくても避けたいところです。

書くこと 揃える内容
対象 どのプラン・どの人数・どの時期の申込が対象か
期間 いつまでの申込、またはいつまでの挙式が対象か
条件 来館や見積もりの有無など、受けるための条件
終了後 期限が過ぎたら、すべての掲載先から外す日

公開したあとに確かめること

自社サイトと比較サイトがそろっているかは、目で見比べるのがいちばん確かです。月に1回、次の順で確かめます。

確かめること 見る場所
台帳の正本と、各掲載先の表記が同じか 自社サイト、ビジネスプロフィール、各比較サイトの掲載ページ
構造化データの値が、本文と同じか リッチリザルトテストと、ページの本文
期限の過ぎた特典や、終わったフェアが残っていないか 自社サイトと各掲載先
会場のことをAIに聞いたとき、古い条件が出てこないか 同じ質問を、日付を付けて記録する
会場の名前で検索したとき、自社サイトが見つかるか 実際の検索の画面と Search Console

AIの答えに古い条件が出てきたら、その条件がどの掲載先に残っているかを台帳で探し、元を直すのが近道です。会場の情報を、検索とAIの両方に同じ形で伝えるためのサイトの整え方は、会社サイトのSEO・LLMO対策のご案内にまとめてあります。

出典

※4つの公式資料と1つのガイドラインは、2026年10月2日の時点の記載を読んで確かめたものです。

よくある質問

比較サイトに載っていれば、自社サイトは簡単なものでもいいですか?

おすすめしません。比較サイトを見た人の多くは、決める前に会場の名前で検索し、公式の情報を確かめに来ます。AIも、会場について答えるときに公式サイトの記載を材料にします。比較サイトの掲載枠には書ききれない条件や、最新の正しい情報を置く場所として、自社サイトは必要です。

比較サイトの口コミを、自社サイトに転載してもいいですか?

まず、その比較サイトの利用規約で転載が認められているかを確かめてください。認められていても、Googleの構造化データのガイドラインでは、ほかのサイトの口コミや評価を自社の評価の集計に含めないよう求めています。自社サイトでは、口コミの文章を並べるより、比較サイトの掲載ページへのリンクを置くほうが扱いやすいです。

プランの名前や特典の条件が、比較サイトと自社サイトで少し違っています。問題になりますか?

お客様が見比べたときに、どちらが正しいのか分からなくなります。AIも、食い違った情報のどちらかを答えに使ってしまうことがあります。特典や価格の条件がずれていると、景品表示法の観点でも説明が難しくなるので、正本を1つ決め、そこから各掲載先へ同じ言葉で写す運用にそろえるのが安全です。