ブライダル

結婚式場のSNS・広告・LPのクリエイティブを毎月切らさず作る運用。素材の棚、季節とフェアの年間カレンダー、サイズ一覧、トーンの決まり、確認と差し替えの流れ

結婚式場のバナー・投稿画像・ショート動画を毎月途切れずに作るための運用です。写真を条件付きで並べる素材の棚、フェアから逆算する年間の制作カレンダー、媒体別のサイズ表、ブランドガイド、確認と差し替えの台帳を表にしました。

この記事の結論:結婚式場のSNS投稿・広告バナー・LPの画像やショート動画を毎月切らさずに作るには、制作に入る前の4つの土台をそろえます。写真を「使ってよい条件」付きで並べた素材の棚、フェアと季節の山から逆算した年間の制作カレンダー、媒体ごとの縦横比と文字を置かない範囲をまとめたサイズ一覧、言葉・写真・文字組みの決まりを1枚にしたブランドガイドです。そのうえで、公開したものをクリエイティブ台帳に1行ずつ残し、フェアの日程や特典が変わったときに、どれを差し替えるかを台帳から引けるようにします。

読み手は、式場で広報やWebを担当する方と、式場向けに画像や動画を手がける制作者です。投稿の中身の企画やフェア予約への導線ではなく、素材をどう置き、いつ作り、どう確かめて差し替えるかという「作り続ける側の段取り」を扱います。書き手の会社(株式会社bundlyze)は、SNSや広告に使う画像・短い動画の制作、投稿テンプレートと確認の流れの整備を受け持ち、結婚式場のフェアLPの運用もしています。記事の中身は各社が公開している仕様と、運用の組み立て方です。個別の式場の実績値は扱いません。

毎月切らさないための土台は、素材の棚・制作カレンダー・サイズ一覧・ブランドガイドの4つ

クリエイティブが途切れるのは、作る人の手が遅いからではなく、毎回「どの写真を使うか」「いつまでに要るか」「どの大きさか」「どんな言い回しか」を一から決めているからです。この4つを先に決めて置いておけば、毎月の作業は「選ぶ・組む・確かめる」だけになります。

土台 決めること 置き場所の例 見直す頻度
素材の棚 写真・動画ごとの場面、季節、権利、掲載許諾、使える媒体 共有ドライブのフォルダと一覧表 撮影や新しい素材が入るたび
制作カレンダー フェアと季節の山、公開日、そこから逆算した制作の締め切り 共有カレンダーか表計算 四半期ごと
サイズ一覧 媒体ごとの縦横比、推奨の大きさ、文字を置かない範囲 ブランドガイドの別紙 媒体の仕様が変わったとき
ブランドガイド 言葉・写真・文字組みの決まり A4で1枚のPDF 年に一度か、迷う事例が出たとき

4つとも、式場の担当と制作側の両方が開ける場所に置きます。制作を外部に頼む場合も、この4つを渡せば最初の打ち合わせが短くなります。

素材の棚は、写真と動画を「使ってよい条件」付きで並べる

素材の棚は、写真をフォルダに入れておくだけでは使えません。1枚ごとに「どの場面か」「誰が撮ったか」「人が写っているか」「どの媒体でいつまで使えるか」を一覧表に書き、条件を満たすものだけを選べるようにします。

一覧表は、下の列立てを写して使えます。

列 書く内容 例
素材ID 一意の番号 P-2026-0142
場面 外観、チャペル、披露宴会場、庭、料理、装花、衣装、スタッフ 披露宴会場
季節・時間帯 撮った季節と、昼・夕方・夜 秋・夕方
撮影日 年月日 (日付)
撮影者と権利 自社スタッフか、外部のカメラマンか、使える範囲の契約 外部・Web と広告で使用可
人物 写っていない/後ろ姿のみ/顔が分かる 顔が分かる
掲載許諾 許諾の有無、範囲、期限、取り下げの連絡先 SNS・Web可、広告不可、期限なし
使える媒体 自社サイト、SNS投稿、SNS広告、検索・ディスプレイ広告、ポータル、印刷物 自社サイト・SNS投稿
会場の状態 改装や装飾の変更で、今の会場と違っていないか 2026年改装後
使用履歴 使ったクリエイティブのID C-0311、C-0318

「会場の状態」の列は見落とされがちです。改装の前に撮った写真や、もう扱っていない装花・衣装の写真が棚に残っていると、来館した人が見るものと食い違います。古くなった素材は消さずに「使用停止」と書いて残し、過去の投稿がどの素材を使ったかを追えるようにしておきます。

挙式の写真の掲載許諾と撮影者の権利の記録の仕方は、式場サイトのギャラリー写真の掲載許諾と撮影者の権利をまとめた記事で詳しく書きました。素材の棚の「掲載許諾」と「撮影者と権利」の列は、その記録と同じ値を写します。

年間の制作カレンダーは、フェアと季節の山から逆算して置く

制作カレンダーは、公開したい日から逆にたどって「いつ企画を決め、いつ素材を選び、いつ確かめるか」を置いたものです。月ごとに作り始めると、大きなフェアの直前に制作が集中して確認が雑になります。

まず1年分の「告知の山」を書き出します。下の表は書き方の例で、月や題材は式場ごとの予約の動きに合わせて入れ替えてください。

時期 告知の山の例 クリエイティブの題材の例
1〜3月 年明けのフェア、春から初夏の挙式の検討 新年の見学会、春の装花やガーデン
4〜6月 大型連休のフェア、夏から秋の挙式の検討 初夏の光、雨の日の動線や屋内の会場
7〜9月 夏休みのフェア、秋から冬の挙式の検討 夕方から夜の会場、暑さへの配慮
10〜12月 秋のフェア、年末年始の休暇中の見学 冬の演出、年末年始の受付日程

次に、山ごとに公開日から逆算した締め切りを並べます。日数は例で、確認する人の数や外部の制作会社の納期で変わります。

工程 公開日からの目安(例) 決めておく担当
題材と媒体を決める 4週間前 式場の広報・Web担当
素材を棚から選ぶ(足りなければ撮影を手配) 3週間前 式場の担当と制作側
文言を決める(日程・特典・条件) 3週間前 式場の担当(特典の条件は営業の責任者)
画像・動画を組む 2週間前 制作側
確認と修正 1週間前 式場の担当と責任者
入稿・予約投稿 3営業日前 運用の担当

撮影が要るときは、題材を決める時点で分かるように、素材の棚で「その季節・その場面の素材があるか」を先に確かめます。季節の写真は、その季節にしか撮れません。翌年に使う季節の素材は、今年のうちに撮っておくのが確実です。

サイズ一覧は、媒体ごとの縦横比と文字を置かない範囲を1枚にまとめる

同じ写真から作っても、媒体ごとに縦横比と、画面の上にボタンや名前が重なる範囲が違います。サイズ一覧は、推奨の大きさと「文字やロゴを置かない範囲」を同じ表に並べておくと、見切れの直しが減ります。

表の値は、各社が公式に示している仕様から拾っています。仕様は2026年10月3日に見たもので、変わることがあります。

媒体と置き場所 縦横比 推奨の大きさ(ピクセル) 文字・ロゴの置き方の注意
Instagramフィード(画像広告) 4:5 1440×1800 最小の幅は500ピクセル。最大は横長の1.91:1まで
Instagramリール(動画広告) 9:16 1440×2560 上14%・下35%・左右6%には文字やロゴなどの大事な要素を置かないことが推奨されている
Googleのディスプレイ広告(横長) 1.91:1 1200×628(最小600×314) 画像の上に文字を重ねないことが推奨されている
Googleのディスプレイ広告(正方形) 1:1 1200×1200(最小300×300) 同上
Googleのディスプレイ広告(縦長) 9:16 900×1600(最小600×1067) 同上
婚礼ポータル・LINE・自社LP 掲載先ごと 掲載先の入稿規定に従う 規定を読んで行を足す

Googleのディスプレイ広告では、見出しなどの文字は画像と別に入れ、組み合わせて表示されます。画像に文字を入れると見出しと重複したり、小さな枠で読めなくなったりするため、ヘルプでは重ね文字を避けるよう書かれています。Instagram向けの画像と同じ感覚で文字を入れた画像を流用しないよう、表の注意欄に残しておきます。

書き出しの順番も決めておくと楽になります。たとえば、縦長の9:16で主役の位置を決めた元データを作り、そこから4:5、1:1、1.91:1へ切り出すと、主役が見切れにくくなります。切り出したあとは、文字を置かない範囲に見出しやロゴがかかっていないかを、表の数字と見比べて確かめます。

ブランドガイドは、言葉・写真・文字組みの決まりを1枚にする

ブランドガイドは、分厚い冊子でなくて構いません。担当者が変わっても、外部に頼んでも同じトーンになるよう、「迷ったときに見る1枚」を作ります。

区分 決めること 書き方の例
言葉 お客様の呼び方 「おふたり」で統一し、「新郎新婦様」は当日の案内だけで使う
言葉 使わない言葉 根拠を示せない「No.1」「日本一」「どこよりも」は使わない
言葉 特典の書き方 特典名・条件・期間を同じ画像の中に書く。条件を投稿文だけに回さない
写真 明るさと色 実際の会場の色が分かる範囲で補正し、壁や床の色を変えない
写真 加工してよい範囲 傾きの補正、明るさ、不要な小物の消去まで。空や景色の差し替え、ない装飾の追加はしない
写真 人物 掲載許諾のある人だけ。顔が分かる写真は許諾の範囲を素材の棚で確かめてから使う
文字組み 書体 見出し用と本文用の2つ。商用で使える許諾を確かめたもの
文字組み 色 式場の色を基本に、文字の色は背景と見分けやすい組み合わせだけ
文字組み 見出しの長さ スマホで2行に収まる字数を上限にする
動画 最初に映すもの 会場の一番の見どころを最初の場面に置き、字幕は後から重ねる

「加工してよい範囲」の行は、写真の見栄えと実際の会場とのずれを防ぐための決まりです。晴れていない日の写真の空を青空に差し替える、実際にはない照明や装飾を足す、といった加工をすると、来館した人が見るものと食い違います。迷う加工は「来館した人が写真と見比べて驚かないか」で判断します。

確認は事実・権利・見え方の3つの目で行い、差し替えはクリエイティブ台帳で追う

公開前の確認は、1人がすべてを見るより、見る観点を分けたほうが漏れが減ります。事実(日程・特典・料金)、権利(写真の許諾と期限)、見え方(スマホでの読みやすさと見切れ)の3つです。

確認の項目は、次のチェックリストをそのまま使えます。

  • 事実:フェアの日程、特典の内容と条件、料金が、公式サイトのフェアページと一致している
  • 事実:「先着」「限定」「今だけ」などの言葉に、実際の条件と期間が添えられている
  • 権利:使った素材がすべて素材の棚にあり、その媒体での掲載許諾と期限の範囲内である
  • 権利:BGMや書体が、その媒体での商用利用の条件を満たしている
  • 見え方:スマホの実際の画面で、見出しが2行以内に収まり、文字を置かない範囲にかかっていない
  • 見え方:リンク先(プロフィールのリンクやLP)が、クリエイティブで示したフェアと同じものを最初に見せている

公開したものは、クリエイティブ台帳に1行ずつ書きます。フェアの日程や特典が変わったとき、改装で会場の様子が変わったとき、写真の掲載許諾が取り下げられたときに、どれを差し替えるかを台帳から引くためです。

クリエイティブID 媒体と置き場所 サイズ 使った素材ID 対象のフェアID 載せた特典 公開日 終了日 状態
C-0318 Instagramフィード 4:5 P-2026-0142 F-1102 試食付き (日付) (日付) 公開中

素材の棚の「使用履歴」と台帳の「使った素材ID」を両方向でつないでおくと、許諾の取り下げの連絡が来たときに、その写真を使ったバナーや投稿をすぐに探せます。

毎月の回し方は、週ごとに「決める・作る・確かめる・振り返る」を割り当てる

4つの土台と台帳がそろったら、毎月の作業は週ごとの役割に分けて回します。次の月の分を前の月のうちに作り終える並びにすると、急なフェアの追加にも空きで対応できます。

週 やること 見る資料
第1週 翌月の題材と媒体を決め、素材の棚から候補を選ぶ 制作カレンダー、素材の棚
第2週 文言を固め、画像と動画を組む ブランドガイド、サイズ一覧
第3週 事実・権利・見え方の3つで確認し、修正する チェックリスト
第4週 予約投稿と入稿を済ませ、今月出したものの反応とリンク先への移動を振り返る クリエイティブ台帳、投稿と広告の数字

振り返りでは、反応の多い少ないだけでなく、プロフィールのリンクやLPへ移った人がフェアの予約まで進んだかも並べて見ます。フェア予約までの道筋をInstagramでどう作るかは、式場のInstagram運用の記事にまとめています。

制作の手が足りない、素材と文字組みの決まりから整えたいといった場合は、バナーや短い動画、投稿文づくりから確認の段取りまでを扱うbundlyzeのクリエイティブ・SNSのページに、対応できる範囲を書いています。

出典

各社の公式ページを2026年10月3日に見て確かめています。

よくある質問

式場のバナーや投稿画像は、毎月何本くらい作ればいいですか?

本数から決めるより、その月に告知するフェアと季節の話題を先に並べ、それぞれに要る媒体とサイズを数えるほうが現実的です。年間カレンダーにフェアの山を書き込み、そこから逆算して制作の枠を置くと、必要な本数は自然に決まります。

Instagramと広告とLPで、同じ画像を使い回してもいいですか?

同じ写真を元にするのは構いませんが、縦横比と文字を置かない範囲が媒体ごとに違うので、書き出しは分けます。1枚の元データから、Instagramフィード向け(4:5)、リールやストーリーズ用(9:16)、ディスプレイ広告用(1.91:1と1:1)を作る順番を決めておくと、文字の見切れを防げます。

ブランドガイドは、デザイナーがいない式場でも作れますか?

作れます。最初は、呼び方や避ける言葉などの言葉の決まり、写真の明るさや加工してよい範囲などの写真の決まり、書体と色と見出しの長さなどの文字の決まりを、A4で1枚にまとめるだけで十分です。外部に制作を頼むときも、その1枚を渡せばトーンがそろいます。

フェアの特典が変わったとき、古いバナーが残らないようにするには?

公開したクリエイティブを1行ずつ台帳に書き、どのフェアのどの特典を載せたかを記録しておきます。特典や日程が変わったら、そのフェアのIDで台帳を絞り込み、出ているものをすべて差し替えるか止めます。