フィットネス・健康

ジム・整体院のSNS投稿とバナーの作り方。ビフォーアフター写真の扱い、お客様の写真の許諾、トレーナーの顔出し、テンプレート化

ジム・整体院・接骨院がSNS投稿やバナーを作るときの手順です。業種ごとにかかる決まり、1枚で切り取られる前提のビフォーアフターの扱い、お客様の写真の許諾書、トレーナーの顔出しと退職時の扱い、投稿テンプレートを表にしました。

この記事の結論:ジム・整体院のSNS投稿やバナーは、作る前に「自分の店にどの決まりがかかるか」を確かめ、写真ごとに許諾と条件をそろえてから、投稿の種類ごとのテンプレートに流し込みます。接骨院・鍼灸院・あん摩マッサージ指圧の施術所は、SNSの書き込みも広告として扱われる場合があり、体験談や施術前後の写真は載せない前提で組みます。パーソナルジムのビフォーアフターは、SNSでは画像が1枚で切り取られて広まる前提で、条件を画像の中に入れ、撮影の条件を前後でそろえます。お客様の写真は使う場所・顔出し・名前・期限・取り下げを項目ごとに許諾をもらい、トレーナーの顔出しは同意と退職時の扱いを入社時に決めます。

対象は、ジム・スタジオ・整体院・接骨院でSNSを任されている方と、その投稿画像やバナーを手がける制作者です。LPの上でビフォーアフターや料金をどう見せるかは、ジムのLPでの料金とビフォーアフターの見せ方の記事で扱いました。この記事はSNSの投稿とバナーに絞り、画像が単独で見られる場面での作り方を書きます。法律に触れる部分は官公庁の資料に沿った一般論です。迷う案件は、弁護士や所管の窓口に相談してください。

まず、自分の店にどの決まりがかかるかを確かめる

同じ「体の悩みに応える店」でも、国家資格の施術所か、資格の要らない整体やジムかで、SNSに載せてよいものが大きく変わります。投稿を作り始める前に、自分の店がどの行に当たるかを確かめます。

店の種類 主にかかる決まり SNS・バナーで特に気をつけること
接骨院・整骨院(柔道整復) 柔道整復師法の広告の制限、あはき・柔整の広告ガイドライン(厚生労働省) SNSの書き込みも条件を満たせば広告として扱われる。体験談は、広告に載せてよい事項の外にある
鍼灸院・あん摩マッサージ指圧の施術所 あはき法の広告の制限、同じガイドライン 同上
整体・リラクゼーション(無資格の施術) 景品表示法。同じガイドラインに無資格者の広告の考え方がある 国家資格の施術と誤認させる表示を写真でもしない。腰痛・肩こりなどの症状への施術の表現を避ける
パーソナルジム・フィットネス・スタジオ 景品表示法。サプリなどを売るなら健康増進法・薬機法 体の変化をうたう表示の裏付け。ビフォーアフターの条件
どの店にも共通 ステマ規制(景品表示法)、個人情報保護法 お客様に頼んだ投稿の表示、写真に写る人の扱い

このガイドラインは、施術所のウェブサイトは原則として広告の規制の対象にならないとする一方で、SNSでの書き込みは、公開範囲が限られていても、ガイドラインの広告の要件を満たせば広告として扱うとしています。ウェブサイトに載せるのが適切でない例としては、撮影条件や被写体の状態を変えて撮った施術前後の写真で効果を強調するもの、効果があるように見せるために加工した施術前後の写真、都合のよい感想だけを選んで強調するもの、が挙がっています。

無資格の整体などについては、同じガイドラインが、国家資格の施術と誤認させる表示は写真や画像を使った場合も不適切で、「腰痛」「肩こり」などの症状への施術の表現は広告やウェブサイトに表現すべきでない、としています。

ジムや整体院のサイト全体で表現をどう確かめるかは、健康にかかわるサービスの表現チェックをCMSに組み込む記事にまとめています。

ビフォーアフターは、SNSでは1枚で切り取られて広まる前提で作る

SNSの画像は、投稿文と離れて見られます。保存・シェア・スクリーンショットで画像だけが広まり、広告のバナーには投稿文がそもそもありません。だから、ビフォーアフターを載せてよい業種でも、条件は画像の中に入れます。

先に業種ごとの扱いを決めます。

店の種類 ビフォーアフターの扱い
接骨院・鍼灸院・あん摩マッサージ指圧 載せない。施術前後の写真と感想を使わない投稿の型を作る
整体・リラクゼーション 症状の改善を示す前後の写真は載せない。姿勢の写真なども効果をうたう見せ方を避ける
パーソナルジム・フィットネス 条件をそろえ、画像の中に条件を書き、裏付けの資料をそろえたものだけ載せる

パーソナルジムで載せる場合は、撮影の段階で条件をそろえます。撮り方の違いで差が大きく見えると、実際の変化以上の印象を与えます。

  • 前と後で、同じ場所・同じ壁の前で撮る
  • 同じ時間帯に撮り、照明を同じにする(窓の光に頼らない)
  • カメラの高さと距離を床の目印で固定し、同じレンズの設定で撮る
  • 服、姿勢、立ち方を同じにする(力の入れ方や反り方を変えない)
  • 体の形を変える加工、肌や影の修正をしない。明るさを変えた場合は前後で同じにする

画像の中には、次の欄を作っておきます。文字の大きさは、スマホの画面で読める大きさにし、画面の端の、名前やボタンが重なる位置を避けます。

画像の中に入れる欄 書く内容の例
期間と回数 3か月・週2回のトレーニング
食事の指導 食事の指導あり(内容は投稿文に記載)
本人の条件 30代・運動の習慣なし(本人の了承の範囲で)
注記 結果には個人差があります

注記を入れても、画像全体の印象が実際と違えば問題は残ります。体の変化をうたう表示は不実証広告規制(景品表示法)の対象で、消費者庁から裏付けとなる合理的な根拠の資料を求められることがあり、出せなければ措置命令の判断では不当表示とみなされます。同じ期間に通った会員の結果がどう分かれたかの記録など、成功した会員だけを抜き出していないと言える資料をそろえてから載せます。

お客様の写真は、使う場所・顔・名前・期限・取り下げを項目ごとに許諾してもらう

お客様が写った写真は、顔が分かればその人を特定できる個人情報になります。SNSでは画像が広まり、広告に使えば見知らぬ人に繰り返し表示されるため、使う場所ごとに許諾をもらい、記録を残します。

許諾書は、次のように選んでもらう形にすると、範囲が後から分かります。

項目 選択肢の例
使う場所 □店内の掲示 □Webサイト □SNSの通常の投稿 □SNSの広告 □チラシ・印刷物
顔 □顔が分かってもよい □顔が分からない加工(後ろ姿・ぼかし)なら可
名前の書き方 □イニシャル □年代と性別のみ □書かない
写真と一緒に載せる内容 □トレーニングの様子のみ □期間と回数 □体重や体の変化
期限 □1年 □期限なし(取り下げの申し出まで)
取り下げ 申し出の連絡先、申し出から外すまでの目安、外せないもの(印刷済みのチラシなど)の説明

体重や体型の変化は、本人にとって知られたくない情報であることが多いので、載せるかどうかを別の項目にします。持病やけがの経過など、病歴に当たる内容は要配慮個人情報になりうるので、SNSには載せません。

許諾の記録は、写真のファイル名と同じ番号で管理し、投稿やバナーを作るときに「この写真はSNSの広告に使ってよいか」をその場で確かめられるようにします。

お客様自身の投稿を店のアカウントで紹介するときも、決まりがあります。店が投稿をお願いして特典を付けたり、内容を指定したりすると、その投稿は店の表示(広告)として扱われる場合があり、そのときは広告であることが分かる表示が要ります(ステルスマーケティング規制)。また、国家資格の施術所の場合、お客様の感想を店のSNSで紹介することは、体験談の掲載に当たる点にも気をつけます。

トレーナーの顔出しは、同意の範囲と退職時の扱いを入社時に決める

トレーナーや施術者の顔は、指名や安心感につながる一方で、本人の個人情報でもあります。顔出しは任意とし、雇用の契約とは別に、範囲と退職時の扱いを決めた同意をもらいます。

決めること 選択肢の例
顔出しの範囲 □Webサイトのトレーナー紹介 □SNSの通常の投稿 □SNSの広告・バナー □動画(声を含む)
名前の出し方 □フルネーム □名字のみ □愛称
載せる経歴 保有資格(正式名称と発行団体)、経験年数、得意な分野
退職したとき 紹介ページと広告:退職日までに外す/過去の通常の投稿:本人の希望で残すか外すかを選ぶ
同意の取り消し 在籍中でも取り消せること、取り消したときに外す範囲

経歴をバナーに書くときは、資格の名前を正式名称で書き、民間の資格を国家資格のように見せたり、実態のない肩書きを強調したりしないようにします。あはき・柔整の広告ガイドラインでも、任意の専門資格や認定の誇張・過度な強調は掲載すべきでない例に挙がっています。

退職のときは、トレーナー紹介のページ、指名予約の画面、プロフィールのハイライト、出稿中の広告を一覧にしておくと、外し忘れがなくなります。在籍していない人がまだ指名できるように見える状態は、お客様の予約の手間にもなります。

テンプレートは、投稿の種類ごとに「入れてよい要素」と「入れない要素」まで決める

テンプレートは、色や書体をそろえるだけでなく、投稿の種類ごとに入れてよい要素と入れない要素を決めておくと、確認が速くなります。作る人が迷ったときに見るのは、デザインより「この投稿に何を書いてよいか」だからです。

投稿の種類 縦横比の例 入れる要素 入れない要素 確認する人
時間割・休講のお知らせ 4:5、ストーリーズは9:16 日付、時間、クラス名、予約の案内 効果をうたう言葉 店長
トレーナー・施術者の紹介 4:5 顔写真(同意の範囲)、正式な資格名、得意な分野 誇張した肩書き、「必ず」「治る」などの言葉 店長と本人
体験・初回の案内 4:5、広告は1:1と1.91:1も 体験の内容、所要時間、税込の料金、条件 根拠のない「No.1」「最安」 店長と経営者
店内・設備の紹介 4:5、リールは9:16 実際の店内の写真、設備の名前 他店の写真、生成した店内 店長
体の使い方の豆知識 4:5の複数枚 一般的な情報、出典 症状が治る・改善するという表現 資格のある人か店長
お客様の写真・ビフォーアフター(ジムのみ) 4:5 許諾の範囲の写真、画像内の条件の欄 加工、条件の違う写真の比較 店長と経営者

接骨院・鍼灸院のテンプレートには、最後の行を作りません。テンプレートの段階で選べないようにしておくのが、一番の予防になります。

テンプレートは、作るソフトのひな形として保存し、文字を入れる枠の大きさを決めておきます。見出しの枠に収まらない長さの文言は、投稿文に回す決まりにします。

公開前のチェックリスト

作った投稿やバナーは、公開前に次の項目を確かめます。

  • 自分の店の種類に合った決まり(最初の表)で、載せてはいけない要素が入っていない
  • ビフォーアフターは、業種として載せてよい場合だけで、撮影の条件がそろい、条件が画像の中にある
  • お客様の写真は、許諾書の「使う場所」にその媒体が入っていて、期限内である
  • トレーナーの写真は、同意の範囲内で、在籍している
  • 資格名は正式名称で、誇張した肩書きがない
  • お客様にお願いした投稿を紹介する場合、広告であることが分かる表示がある
  • 料金や体験の条件が、Webサイトの料金ページと一致している
  • スマホの画面で、条件の欄や注記が読める大きさで、名前やボタンと重なっていない

株式会社bundlyzeでは投稿の企画、画像・短い動画・投稿文の制作、使い回せる投稿の型と、公開前の確認手順づくりを受け持っています。テンプレートと確認の手順から整えたいときの進め方は、発信とクリエイティブの相談窓口にまとめています。

出典

確認日はすべて2026-10-03です。

よくある質問

接骨院や鍼灸院のInstagramに、患者さんのビフォーアフターや感想を載せてもいいですか?

2025年2月18日付で厚生労働省が出したあはき・柔整の広告ガイドラインでは、SNSの書き込みも条件を満たせば広告として扱うとされ、利用者の体験談は広告してよい事項に含まれていません。撮影条件を変えた施術前後の写真は誇大、加工した写真は虚偽として扱うべきとも書かれています。国家資格の施術所のアカウントでは、施術前後の写真と感想は載せない前提で投稿を組むのが安全です。

パーソナルジムのビフォーアフターは、条件を書けば載せられますか?

条件を書くだけでは足りません。期間や回数、食事指導の有無などの条件を画像の中に入れ、撮影の条件を前後でそろえ、成功した人だけを選んで並べていないかも確かめます。体の変化をうたう表示には不実証広告規制(景品表示法)がかかり、裏付けの資料を求められることがあるため、根拠もそろえておきます。

お客様の写真の掲載許諾は、口頭でもらえば十分ですか?

後から範囲や期限を確かめられるよう、書面か記録の残る形でもらいます。店内の掲示・Webサイト・SNSの投稿・SNS広告・チラシのどれに使うか、顔を出すか、名前をどう書くか、いつまで使うか、取り下げたいときの連絡先を、項目ごとに選んでもらう形にします。

トレーナーが退職したら、顔の写っている投稿は消さないといけませんか?

退職時の扱いは、顔出しの同意をもらうときに決めておきます。たとえば、予約やトレーナー紹介のページと広告からはすぐ外し、過去の通常の投稿は本人の希望を聞いて残すか消すかを決める、といった形です。在籍していない人を指名できるように見える表示を残さないことが大切です。