フィットネス・健康

ジム・スタジオの体験レッスンLPを、季節やキャンペーンで付け替える運用。LPの数の決め方、期間と終了の扱い、景品表示法・特定商取引法の表示、計測

ジム・スタジオの体験レッスンLPを、季節やキャンペーンに合わせて付け替える運用の手順です。LPの数の決め方、開始と終了の切り替え、景品表示法と特定商取引法で気をつける表示、キャンペーンごとの計測を表と台帳にしました。

この記事の結論:ジムでもスタジオでも、体験レッスンのLPはずっと使うURLを1本に決め、季節やキャンペーンではその中の「キャンペーンの枠」だけを差し替える運用にします。別のLPを作るのは、対象の人か体験の内容が変わるときだけです。キャンペーンは開始と終了の日時を先に決め、LPの表示・申込フォーム・広告やSNSを同じ時刻に切り替えます。「今なら」「◯月◯日まで」「キャンペーン後は通常◯円」と書くなら、そのとおりに運用できるときだけにし、体験に来た人へのプレゼントは景品の上限の中で決めます。オンラインで申込と支払いを受けるなら、特定商取引法の通信販売の表示も入れます。計測は、キャンペーンごとのIDをUTMと申込のデータの両方に入れ、終わったら台帳に結果を残します。

想定している読み手は、フィットネスクラブやパーソナルジム、ヨガ・ピラティスのスタジオで体験の集客を受け持つ方と、体験LPを制作・運用する方です。LPの区画の並べ方や料金の書き方そのものは扱わず、「付け替える」運用の段取りに絞りました。法律の話は消費者庁が公開している資料から読み取れる範囲の整理です。手元の表現や企画が問題ないかは、弁護士や消費者庁の相談窓口で確認を取ってください。

体験LPの数は、季節ではなく「対象の人」と「体験の中身」で決める

LPを分けるかどうかは、季節やキャンペーン名ではなく、誰に向けたものか、体験で何をするかが変わるかで決めます。季節の訴求や特典だけが変わるなら、同じLPの中で差し替えます。

変わるもの 分けるか 理由
季節の見出しと写真(夏に向けて、年明けから、など) 分けない キャンペーンの枠の差し替えで済む
特典の内容や期間 分けない 同じ体験に付く条件が変わるだけ
対象の人(初心者、シニア、産後、法人の福利厚生) 分ける 不安の中身と、答える内容が変わる
体験の内容(マシンの体験、姿勢の確認、グループレッスン) 分ける 当日の流れ、所要時間、持ち物が変わる
店舗 店舗ページの中で分ける 住所・時間割・担当のトレーナーが変わる

LPを1本増やすと、写真・料金・よくある質問を直す場所も1か所増えます。分けたくなったら、そのLPをいつ閉じ、閉じたらどこへ案内するかを、今の時点で言えるかを確かめます。決められないなら、分けずに枠の差し替えで済ませます。体験LPの区画の並べ方と料金の書き方は、体験の申込まで迷わせないパーソナルジムLPの組み立てにまとめています。

ずっと使うURLを1本決め、キャンペーンは枠の差し替えにする

体験LPのURLは /trial/ のように1本決めて変えません。キャンペーンの内容は、そのLPの中に「キャンペーンの枠」を作って差し替えます。

URLを変えない利点は、外に貼ったリンクを張り替えずに済むことです。体験LPへのリンクは、Instagramの自己紹介欄、Googleマップの店舗情報の予約ボタン、LINEのリッチメニュー、店頭のQRコード、チラシと、思った以上に多くの場所に貼られています。キャンペーンごとにURLを変えると、その都度すべてを張り替え、張り忘れたリンクは終わったキャンペーンを指し続けます。

区画 差し替える頻度 差し替える内容
キャンペーンの枠(最初の画面の見出しと写真、特典、期間) キャンペーンごと 見出し、写真、特典の内容と条件、開始と終了の日時
体験の内容と流れ 体験の中身を変えたとき 所要時間、持ち物、当日の流れ
料金 料金を改定したとき 税込の金額と条件
よくある質問 問い合わせで同じ質問が続いたとき 質問と答え

キャンペーンの枠は、CMSで「開始日時」「終了日時」「見出し」「写真」「特典」「注記」を入力する形にしておくと、時刻が来たら自動で表示が切り替わります。キャンペーンがない期間に枠が空になったときの表示(通常の体験の案内)も、あわせて作っておきます。

広告のためにどうしても別のURLが必要なときは、/trial/campaign-summer/ のように体験LPの下に作り、終わったら体験LPへ恒久的に転送します。

キャンペーンは「予告・実施中・最終日・終了後」の4つの状態で切り替える

キャンペーンの期間は、日付だけでなく、何時に始まって何時に終わるかまで決めます。そのうえで、状態ごとにLP・申込フォーム・広告とSNSで何を見せるかを先に表にしておきます。

状態 LPの表示 申込フォーム 広告・SNS・店頭
予告 「◯月◯日から」と開始日を書く。特典はまだ適用しない 通常の体験として受け付ける 予告の投稿。広告はまだ出さない
実施中 特典の内容と条件、終了日時を最初の画面に書く キャンペーンのIDを付けて受け付ける 広告とSNSの投稿、店頭の掲示
最終日 終了の時刻を書く(例:◯月◯日 23:59 の申込まで) 終了の時刻まで受け付ける 締め切りの告知
終了後 キャンペーンの枠を通常の体験の案内に戻す キャンペーンのIDを外す 広告を止め、プロフィールや固定の投稿の文言を戻す

期間を書くときに、とくに迷わせやすいのが「申込の期限」と「体験を受ける期限」の違いです。「10月31日までのお申込みで特典」と書くと、11月に体験を受ける人も対象になるのかが分かりません。どちらの期限かを書き、両方あるなら両方を書きます。

終了の時刻を過ぎて届いた申込をどう扱うかも、決めておきます。終了の直前に入力を始めた人が、時刻を過ぎて送信することはありえます。受け付けるならその基準を、受け付けないなら完了の画面で伝える文言を用意します。

「今なら」「◯月◯日まで」「キャンペーン後は通常◯円」は、そのとおり運用できるときだけ書く

期間や価格の比較を書く表示は、書いたとおりに運用できるかを先に確かめます。景品表示法が禁じる有利誤認表示は、料金などの取引の条件を、実際よりずっと得だと思わせる表示のことです。

消費者庁の解説には、「今なら半額!」と表示したのに、実際には半額とは認められない料金で請け負っていた例が載っています。体験LPで起きやすい表現と、運用で守ることを並べました。

表現の例 運用で守ること
「◯月◯日まで入会金0円」 その日で終える。延長を繰り返さない
「今なら体験料無料」 「今」がいつまでかを書き、その期間で終える
「キャンペーン後は月額◯円」 キャンペーンのあと、実際にその金額で、一定の期間販売する
「通常◯円のところ」 その「通常」の金額で、実際に販売していた期間があるかを確かめる
「先着◯名」 人数を数え、達したら締め切る

「キャンペーン後は月額◯円」のように、これから先の価格と比べる表示には、消費者庁の執行方針があります。表示した将来の価格に十分な根拠がない場合、たとえば実際にはその価格で販売しない、ごく短い期間しかその価格で販売しない、といった場合は、不当表示に当たるおそれがあるとされています。キャンペーンを毎月続けて、実際には「キャンペーン後の価格」で売る期間がない、という運用にならないようにします。

体験に来た人へのプレゼントは、景品の上限の中で決める

無料の体験そのものと、体験に来た人に渡す品物は、景品表示法の上で扱いが分かれます。品物を渡すなら、総付景品の上限の中で内容を決めます。

提供するもの 扱いの考え方 確かめること
無料の体験レッスン 消費者庁の運用基準は、見本その他宣伝用のサービスの例として「スポーツスクールの一日無料体験」を挙げている。適当な限度のものは景品の上限から外れる 試すためのものだと分かる表示か、最小の単位か
体験に来た人全員へのプロテインやタオル 来た人全員にもれなく渡すものは総付景品に当たる 取引価額と上限の計算
体験の当日に入会した人への特典 入会という取引に付く景品か、値引きに当たるかで扱いが変わる 運用基準での区分

総付景品の上限は、取引価額の2割(取引価額が1,000円に届かないときは200円)です。何も買わずに来店した人へ渡す場合、運用基準は取引価額を原則として100円とし、店で普段行う取引の一番安いものが100円より高いなら、その額を使ってよいとしています。ジムで「普段の一番安い取引」を何とみるかは企画によって変わるので、決めかねるときは消費者庁に問い合わせます。

オンラインで申込と支払いを受けるなら、通信販売の表示を入れる

LPで体験や入会の申込を受け、その料金をネットで払ってもらうなら、特定商取引法上は通信販売の扱いになります。サービス(役務)も対象で、広告と申込の最後の確認画面に、決められた項目を表示します。

キャンペーンを付け替える運用で特に関係するのは、次の項目です。

  • 価格(役務の対価):キャンペーンの価格と、キャンペーン後の価格
  • いつ、どう払うか:初月の支払いと、2か月目以降の支払い
  • 提供の時期:体験を受けられる期間
  • 申込みの期間の定め:キャンペーンに申込の期限があるなら、その旨と内容
  • 申込みの撤回や解除:入会後の解約の条件

キャンペーンの枠を差し替えるたびに、LPの表示と最後の確認画面の内容が食い違っていないかを確かめます。LPの特典だけを直して、確認画面に前のキャンペーンの価格が残る、というずれが起きやすいからです。

なお、中途解約のルールなどがかかる特定継続的役務提供に指定されているのは、語学教室、エステ、学習塾、パソコン教室、家庭教師、美容医療、結婚相手紹介サービスの7つです。ジムやフィットネスはこの一覧に入っていません(消費者庁の特商法ガイドの一覧を2026年10月3日に確認)。

計測は、キャンペーンIDをUTMと申込のデータの両方に入れる

キャンペーンごとにIDを決め、広告やSNSのリンクの utm_campaign と、申込フォームが送るデータの両方に同じIDを入れます。そうすると、GA4で見た申込数と、申込の記録から数えた体験・入会の数を、同じキャンペーンの単位で並べられます。

決めること 例 理由
キャンペーンIDの付け方 trial-2027-spring(小文字、ハイフン区切り) GA4ではUTMの値の大文字・小文字が別物として扱われ、表記が揺れると数字が割れる
utm_campaign キャンペーンIDと同じ値 流入元が違っても同じキャンペーンとしてまとめられる
申込フォームの隠し項目 キャンペーンIDを入れて送る LINEや電話に移っても、どのキャンペーンからの申込かが残る
比べる期間 前の年の同じ季節、または直前の同じ長さの期間 季節で体験の申込は動くので、違う季節どうしで比べない

Instagram広告からの申込で計測が切れる場所と直し方は、Instagram広告から体験の申込までを途切れずに数える方法に書きました。

キャンペーン台帳は1行1キャンペーンで、始める前に終わり方まで書く

キャンペーンが重なっても追えるよう、台帳には1つのキャンペーンを1行で書きます。始める前に、終了の日時と終了後に戻す内容まで埋めておくと、終わったキャンペーンの表示が残りません。

キャンペーンID 対象のLP 特典と条件 申込の期限 体験の期限 景品の区分と上限の確認 確認画面の更新 終了後に戻す場所 申込数・体験数・入会数 担当
例:trial-2027-spring /trial/ (内容と条件) (日時) (日付) (確認した日) 済・未 LP、プロフィール、固定の投稿、店頭の掲示 終了後に記入 (名前)

終わったら、申込数・体験数・入会数を台帳に書き、次の季節のキャンペーンを決めるときに前の年の同じ行を見返します。

付け替えの手間は、LPの作りでほとんど決まります。サイトの制作に加え、予約を受けて管理する仕組みも構想から運用の段階まで手がけてきた経験を活かし、株式会社bundlyzeでは枠の差し替えを店舗の側でできる作りや、申込のデータにキャンペーンIDを残す作りを、最初の設計から組み込めます。制作の流れはWebサイト制作の案内で紹介しています。

出典

下に並べた資料は、どれも開いて本文と照合しています(照合した日:2026年10月3日)。告示やガイドラインは改正されうるので、キャンペーンの企画のたびに新しい版を確かめてください。

よくある質問

キャンペーンのたびに新しいLPを作ったほうがいいですか?

体験の中身や対象の人が変わらないなら、新しいLPは作らず、ずっと使う体験LPのキャンペーンの枠だけを差し替えます。URLが変わらなければ、Instagramの自己紹介欄や、Googleマップで店を開いたときの予約リンクもそのまま使えます。別のLPにするのは、対象の人(初心者・シニア・産後など)や体験の内容が変わるときです。

キャンペーンの終了日を過ぎても申込が来ています。延長してもいいですか?

「◯月◯日まで」と書いたキャンペーンを延長し続けると、実際には期限がないのに期限があるように見せることになり、有利誤認表示(景品表示法)として問題になるおそれがあります。終了日を過ぎたら、表示も申込の受付も予定どおり戻します。続けたいなら、条件や内容を変えた別のキャンペーンとして期間を決め直します。

体験に来た人全員にプロテインを渡したいのですが、上限はありますか?

体験そのものは、消費者庁の運用基準で「スポーツスクールの一日無料体験」が見本その他宣伝用のサービスの例に挙がっており、適当な限度のものは景品の上限から外れます。一方、体験に来た人全員に渡すプロテインのような品物は、総付景品として取引価額に応じた上限がかかります。取引価額の考え方は運用基準で決められているので、企画のときに確かめます。

体験の申込と支払いをLPから受けると、何か表示が必要になりますか?

ネットで申し込み、料金もネットで払う形は、特定商取引法でいう通信販売です。広告には、価格、いつどう払うか、いつ受けられるか、申込みを受け付ける期間の決まり、申込みの撤回や解除などを載せます。申込の最後の確認画面にも、決められた項目を表示します。無料の体験だけを受け付ける場合でも、入会の申込や支払いをオンラインで受けるなら同じ確認が要ります。