フィットネス

体験レッスン後の入会率を上げるには。予約システムとLINEの連携で自動化できることと、人がやるべきこと

ジムやスタジオで体験レッスン後の入会率を上げるには、連絡と記録は予約システムとLINEの連携で自動にし、目標や不安を聞く会話は人が受け持つ分け方が効きます。体験後の状態の持ち方、自動で送る条件と止める条件、入会率の数え方を整理します。

この記事の結論:体験レッスン後の入会率を上げるには、「連絡と記録」は予約システムとLINEの連携で自動にし、「目標や不安を聞いて、続けられるかを一緒に考える会話」は人が受け持つ、という分け方が効きます。自動化の土台は、体験後のお客様を「体験済み」「検討中」「入会」「見送り」のような状態で管理することです。状態が変わったことをきっかけに、お礼や手続きの案内を送り、検討中のまま日数がたった人をスタッフに知らせ、入会や見送りが決まった人への案内は止めます。人の手は、連絡の作業ではなく、会話そのものに使います。

体験のあと、入会を決めるまでの数日は、お客様が「続けられるか」「自分に合うか」を考えている時間です。この時間に、連絡が遅れたり、同じ案内が何度も届いたりすると、迷っている人ほど離れていきます。ここでは、ジム・スタジオの体験後の流れで、仕組みに任せることと人がやることの線をどこに引くかを整理します。特定のお店の事例ではなく、入会率の目安のような数字も扱いません。

書き手の経験:株式会社bundlyzeでは、ジムに限らず多くの業種で使える予約管理システムを企画の段階から運用に入るまで一貫して開発し、あわせてLINE公式アカウントとつなぐ仕組みも社内で作っています。

体験後のお客様は「状態」で管理すると、自動化できる範囲が決まる

体験後の流れを自動にするには、お客様一人ひとりが今どの段階にいるかを、予約システムの中で「状態」として持つことが出発点です。状態が決まると、どの変化をきっかけに何を送るか、誰に知らせるかを、表にして決められます。

状態 どんな人か 状態を変えるきっかけ 変えるのは
体験予約済み 体験の日時が決まっている 体験の時刻が過ぎ、来館が記録された 予約システム(受付の記録)
体験済み 体験を受けた直後 トレーナーが当日の記録を入れた スタッフ
検討中 入会を考えている、返事を待っている 入会の手続きを始めた/見送ると返事があった お客様の操作、またはスタッフ
入会手続き中 申込の画面を開いたが、まだ終わっていない 手続きが完了した 予約システム
入会 手続きが完了した 退会など 予約システム
見送り 今回は入会しないと決めた 再び体験を予約した お客様の操作
来館なし 予約したが来なかった 日程を取り直した 予約システム

状態をLINEの拡張ツールの中だけで持つと、店頭での手続きや電話の内容が反映されず、入会した人に勧誘が届く、といった事故が起きます。状態は予約システムの側に1つだけ持ち、LINEはそれを見て動く、という向きにそろえます。

仕組みに任せられるのは、連絡・記録・思い出させること

自動化に向いているのは、毎回同じ手順で、タイミングが大事な作業です。状態の変化をきっかけに、決まった連絡を送り、記録を残し、スタッフに次にやることを知らせます。

場面 自動でやること きっかけ
体験の直後 担当トレーナーに、当日の記録の入力を頼む通知を出す 来館が記録されて一定時間がたった
記録の入力後 お客様にお礼と、入会の手続きの入口を送る 状態が「体験済み」になった
手続きの途中で止まった 手続きの続きの入口を1回だけ送る 「入会手続き中」のまま時間がたった
検討中のまま日数がたった 担当スタッフに「連絡する相手」として知らせる 「検討中」のまま決めた日数がたった
入会が決まった 体験向けの案内を止め、入会後のメニューに切り替える 状態が「入会」になった
見送りの返事があった 以降の案内を止め、見送りの理由を記録する欄をスタッフに出す 状態が「見送り」になった

ここで大事なのは、検討中の人に自動で何度も案内を送るのではなく、「人が連絡すべき相手」として知らせる使い方です。仕組みは、連絡のし忘れと送りすぎの両方を防ぐ役に回します。

Messaging APIでは、ユーザーの操作に返す応答のほか、IDを指定して個別に送るプッシュ、複数人にまとめて送るマルチキャストなどの送り方があります。体験後の連絡は、お客様一人ひとりの状態に合わせるので、予約システムに保存したLINEのユーザーIDを指定して個別に送ります。

人がやるべきなのは、目標と不安を聞き、続けられるかを一緒に考えること

入会を決める理由も迷う理由も、人によって違います。ここは仕組みで決まった文面を送るより、トレーナーやスタッフが直接話すほうが、その人に合った答えを返せます。

場面 人がやること 仕組みに任せない理由
体験の終わり 目標と、体験してみて気になったことを聞く 答えによって、次に話すことが変わる
料金と契約の説明 プランの違い、休会・退会の条件を説明する 条件の誤解は、後のトラブルにつながる
体の状態の相談 けがや持病がある人の不安に答える 一人ひとりの判断が必要で、記録の扱いにも注意がいる
検討中の人への連絡 迷っている理由を聞き、無理に勧めない 断りにくい雰囲気は、入会後の継続にも響く
見送りの返事 理由を聞いて記録し、気持ちよく区切る 次に戻ってくる入口を残せる

人が会話に時間を使えるように、日時の調整や手続きの入口の案内のような作業を、先に仕組みへ移しておく、という順番で考えます。

自動で送る連絡は、止める条件を先に決める

自動の連絡で気をつけたいのは、送る条件より、止める条件です。入会した人や見送った人に体験向けの案内が届き続けると、お店への印象が悪くなり、ブロックにもつながります。

止める条件は、次のように書き出しておきます。

  • 状態が「入会」「見送り」になった
  • お客様から「連絡は不要」と返事があった
  • LINEでブロックされた(友だち解除の通知を受けたら、送る対象から外す)
  • 同じ内容をすでに送っている

LINEの公式の料金の説明では、応答以外のプッシュなどで送ったメッセージは、月ごとの送信数に数えられます。送りすぎを防ぐことは、お客様のためであると同時に、費用を読みやすくすることにもなります。

メールで案内を送る場合は、特定電子メール法の決まりも関わります。総務省の案内では、広告や宣伝のメールは、あらかじめ同意を得た相手に送ること、送信者の名前や配信停止の連絡先を表示することなどが求められています。体験の予約確認のような連絡と、入会の案内とでは扱いが変わるので、フォームで同意を取る文面とあわせて確かめます。

体験当日の記録を、次の会話の材料にする

自動の連絡も、人の会話も、体験当日にトレーナーが残す記録の質で決まります。記録は自由に書く欄だけにせず、選ぶ形の項目を中心にすると、次の担当者が読みやすく、集計にも使えます。

記録の項目 形 使いみち
目標 選択式(体力づくり、体重、姿勢など)+短い補足 次の連絡で話す内容を決める
気になっていること 選択式(料金、通う時間、続けられるか など) 検討中の人に、誰が何を話すかを決める
提案したプラン 選択式 説明と手続きの内容をそろえる
次の連絡の約束 日付と方法 約束した日に、担当者へ知らせる

けがや病歴のような体の状態に関わる内容には、法律上「要配慮個人情報」と呼ばれるものがあり、取得するときは原則、本人から同意をもらう必要があります。トーク画面のやり取りや自由記述の欄に残さず、記録する項目と見られる人を決めたうえで、予約システムの中に保存します。

入会率は、状態の記録から数えて、どこで止まったかを見る

入会率は、体験を実際に受けた人数を分母にし、そのうち入会した人数を分子にして数えます。状態を記録していれば、入会しなかった人がどの段階で止まったかまで分かります。

  1. 分母と分子を決める。 「体験済み」になった人を分母、「入会」になった人を分子とし、「来館なし」は別に数える
  2. 止まった段階を数える。 「検討中」のままの人、「入会手続き中」で止まった人、「見送り」の人を分けて数える
  3. 見送りの理由を集計する。 選択式で残した理由を月ごとに並べる
  4. 体験から入会までの日数を見る。 連絡の間隔を決める材料にする
  5. 直す場所を1つ決める。 手続きの途中で止まる人が多ければ申込の画面、検討中が多ければ人の連絡、と分けて考える

数字が下がったときに、文面を変えるのか、手続きの画面を直すのか、人の連絡を早めるのかを決められるのは、状態を記録しているからです。

体験後の状態の持ち方と、LINEで送る条件・止める条件は、予約システムの設計と一緒に決めておくと、あとで作り直さずに済みます。予約の仕組みとLINEの連携を含めた開発の進め方は、会社サイトのシステム開発のご案内に書いています。

出典(確認日はすべて2026年10月2日)

よくある質問

体験後のフォローは、すべてLINEの自動配信に任せてもいいですか?

おすすめしません。日時の連絡や手続きの案内は自動で十分ですが、入会を迷っている理由は人それぞれです。目標や不安、続けられるかどうかの相談は、トレーナーやスタッフが直接話すほうが、その人に合った答えを返せます。自動化は、人が連絡すべき相手とタイミングを知らせる役に回すと効果的です。

体験のあと、何回くらい連絡していいですか?

回数を先に決めるより、止める条件を先に決めることをおすすめします。入会した、見送ると返事があった、配信を止めてほしいと言われた、ブロックされた、のどれかが起きたら、その時点で案内を止めます。そのうえで、体験の直後と、検討中のまま日数がたったときの2つ程度から始め、反応を見て調整します。

入会率は、どう数えればいいですか?

体験を実際に受けた人数を分母にし、そのうち入会した人数を分子にします。予約したが来なかった人は、別の数字として分けます。あわせて、見送りの理由を選択式で残しておくと、入会率が下がったときに、どこを直せばよいかが分かります。