この記事の結論:Google マップに載る口コミを、ジムやスタジオで増やしたいなら、「依頼する場面を決めて、その場面を通った人には全員に、同じ文面でリンクか QR コードを渡す」形で集めます。やってはいけないのは、特典と引き換えに頼むこと、満足していそうな人だけを選んで頼むこと、受付でその場で書かせることの3つで、どれも Google の規約で禁止されています。景品表示法のステマ規制では、割引程度の見返りで内容を指定しなければ通常は問題にならないとされる場面でも、Google の口コミでは特典そのものが禁止です。返信は、良い口コミ・不満の口コミ・事実と違う口コミの3つに型を分け、体の情報や通う頻度など、その人を特定できることは書きません。
この記事では、ジム・スタジオが Google に登録しているお店の情報のうち「口コミ」の欄だけを取り上げ、集め方と返信を仕組みとして組むときの考え方を、Google のヘルプと消費者庁の資料に沿って整理しました。株式会社bundlyzeでは、ウェブ検索や AI の回答にお店や会社の情報が正しく載るよう整える仕事を、自社のサイトでの LLMO(AI の回答で紹介されるための取り組み)の実践とあわせて手がけています。どこかのお店で試した記録ではなく、公開されている決まりから組み立てた手順として読んでください。
Googleの規約と景品表示法は、見ている範囲が違う
口コミの頼み方には、Google の規約と、景品表示法のステマ規制(2023年10月1日から施行)の2つが関わります。この2つは禁止している範囲が同じではないため、片方だけを見て判断すると間違えます。
| ジムでありがちな頼み方 |
Googleの規約 |
景品表示法(ステマ規制) |
| 口コミを書いたら、次回のパーソナル体験を割引 |
禁止(特典と引き換えの投稿) |
割引程度の見返りで内容を指定していなければ、通常は「事業者の表示」に当たらない(消費者庁Q&A Q6) |
| 星5をつけてくれたら割引 |
禁止 |
投稿の内容を事業者が決めているので「事業者の表示」に当たる(同Q6) |
| 満足していそうな会員だけに声をかける |
禁止(肯定的な口コミを選んで募る行為) |
サイトに「お客様の声」として好意的なものだけを選んで載せる場合は「事業者の表示」に当たる(同Q10) |
| 受付で「今ここで書いてください」と頼む |
禁止(その場での要求・強要) |
この記事では扱わない |
| スタッフに口コミの件数の目標を持たせる |
禁止(一定数を募るようスタッフに求める行為) |
この記事では扱わない |
| スタッフや家族が書く |
禁止(雇用関係など利害関係のある投稿) |
この記事では扱わない |
Google の規約の欄は、マップへの投稿についての Google のポリシーのうち「禁止または制限されているコンテンツ」の項によります(Google のポリシー:禁止・制限されている投稿)。景品表示法の欄は、消費者庁のステマ規制のページと Q&A によります(消費者庁の Q&A:ステルスマーケティング)。
表の1行目のように、法律では通常は問題にならないとされる割引でも、Google の口コミでは禁止です。Google のヘルプでも、口コミと引き換えに無料や割引で商品・サービスを提供することは、虚偽のエンゲージメントとして固く禁じられていると明記されています(Google のヘルプ:口コミを増やすヒント)。Google の口コミについては、厳しいほうの Google の規約に合わせて「特典は一切つけない」と決めておくのが、いちばん迷いません。
依頼する場面を、ジムの流れに合わせて決める
「満足していそうな人を選んで頼む」ことを避けるいちばん確実な方法は、頼む相手を人が選ばないことです。頼む場面を先に決め、その場面を通った人には全員に同じ文面で送ります。
| 場面 |
頼むか |
理由と注意 |
| 体験レッスンの当日 |
頼まない |
入会の案内と同じ日に重ねると、どちらの連絡も読まれにくい |
| 体験レッスンの翌日のお礼 |
頼む |
入会したかどうかで分けず、体験に来た全員に送る |
| 入会後、初回のトレーニングを終えた後 |
頼む |
体験のときとは別の視点(継続の様子)で書いてもらえる |
| 休会・退会などの手続きの連絡 |
混ぜない |
手続きの連絡は、手続きのことだけを書く |
| 口コミを書いてもらえなかった人への再度の依頼 |
送らない |
1つの場面で1回だけにする |
ここで大事なのは、表を決めた後に「この人は今回はやめておこう」と現場で外さないことです。来館の記録や予約の状態から自動で送る仕組みにしておくと、誰に送ったかが人の判断に左右されず、送った記録も残ります。
リンクとQRコードの渡し方
口コミを頼むためのリンクと QR コードは、Google のお店の管理画面(ビジネスプロフィール)で「クチコミを読む」を開き、そこから「クチコミを増やす」を選ぶと取得できます。QR コードは、今のところパソコンのブラウザでしか作れません。Google のヘルプでは、領収書や感謝のメールに入れる、チャットのやりとりの最後に添える、QR コードを印刷して店舗に掲示する、といった使い方が紹介されています(Google のヘルプ:口コミ依頼用のリンクと QR コード)。
ジムなら、渡し方は次の2つに絞るとすっきりします。
- お礼のメッセージに、リンクを1つだけ入れる:体験や初回トレーニングの翌日に送る、LINE やメールのお礼の文面の最後に添える
- 受付やロッカーの出口に、QR コードを掲示する:スタッフは声をかけず、気が向いた人が読み取れるようにしておく
お礼のメッセージの文面は、たとえば次のような形です。評価の点数や、書いてほしい内容には触れません。
昨日は体験レッスンにお越しいただき、ありがとうございました。
もしよろしければ、Googleマップに率直なご感想をお寄せください。
今後のレッスンづくりの参考にいたします。
(口コミのリンク)
消費者庁の Q&A の Q6 では、星5をつけることや、サービスの良さを推すコメントを書くことを条件にした場合は「事業者の表示」に当たるとされています。「星5でお願いします」「良かった点を書いてください」とは書かず、お願いするのは「率直な感想」までにします。
返信の型を、口コミの種類ごとに決めておく
返信は、ビジネスプロフィールの「クチコミを読む」から、口コミごとに書けます。返信は Google のコンテンツのポリシーに沿っているかの審査を経て公開され、通常は10分以内、長いと30日ほどかかります。公開された返信は、個人名ではなく企業からの返信として表示され、口コミを書いた人には通知が届きます。返信は後から編集や削除もできます(Google のヘルプ:口コミの管理と返信)。
返信は、書く人によって調子がばらつかないよう、種類ごとの型を決めておきます。
| 口コミの種類 |
返信に書くこと |
書かないこと |
| 良い評価 |
お礼と、書かれた内容に触れた一言 |
会員の名前、担当トレーナーの名前と結びつく個人の情報 |
| 不満や改善の指摘 |
指摘へのお礼、事実を確かめること、直接の連絡先 |
反論や言い訳、その人の利用状況(通った回数、時間帯) |
| 事実と違う・ポリシー違反が疑われる |
短く事実だけを書くか、返信せずに違反を報告する |
投稿者を推測して名前を出すこと |
ジムならではの注意は、体の情報です。体重や体型の変化、けがや持病の話は、本人が口コミに書いていても、お店の返信で繰り返したり付け足したりしません。返信は誰でも読める場所に、企業の名前で残ります。
返信を誰がいつ書くかも決めておきます。担当者と確認する曜日を決め、不満の口コミには店長などの責任者が目を通してから返す、という流れにしておくと、感情的な返信が出るのを防げます。
口コミの仕組みを、サイトの店舗情報とまとめて整える
ここまでの内容を仕組みにすると、次の3つになります。
- 頼む場面と文面を決め、来館や予約の記録から全員に1回だけ送る
- 受付には QR コードを掲示し、スタッフは声をかけない
- 返信は種類ごとの型と、確認する担当・曜日を決めて回す
口コミは、地図でお店を探す人が来館を決める前に読む情報です。Google に載せているお店の情報と、自社サイトの店舗情報の食い違いをなくし、検索や AI の回答でも同じ内容が伝わるように整える方法は、LLMO・SEO対策のページ(会社サイト)で説明しています。
※Google のヘルプとポリシー、消費者庁のページと Q&A:確認日 2026-10-02。ボタンの名前や手順はたびたび変わります。依頼の文面や QR コードを作る日に、もう一度ヘルプを開いてください。