リフォーム・工務店

リフォーム見積書テンプレート項目表と追加工事の版の持ち方

小さなリフォーム会社の見積書のテンプレートです。場所ごとの内訳、材料と手間、諸経費、含まないもの、有効期限、条件の項目表、施主に伝わる言い換え、追加・変更工事の版の持ち方、工事台帳へのつなぎ方、Excelの手順と全部の関数をまとめます。

この記事の結論:リフォームの見積書は、工事の場所ごとに材料と手間を分けた「内訳」と、変更の履歴を持つ「版の一覧」の2つで作ります。いちばん大事なのは、追加工事で前の見積書を上書きしないことです。増減の行だけを新しい版として足し、施主には「前の版までの金額」「この版の増減」「この版を入れた金額」の3行で見せます。確認の済んだ版の金額と予定原価を工事台帳へ渡せば、見積と工事の数字がずれません。項目表と関数はこの記事にすべて載せました。関数は計算のライブラリで動かして確かめたもので、ExcelとGoogleスプレッドシートの実物では未実行です。

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この記事は、小さなリフォーム会社の社長と営業担当の方に向けて、見積書の形が人によって違う、追加工事で金額がずれる、という状態を直す手順を書きます。扱うのは見積書の項目と社内の持ち方です。契約や税の書き方は専門家に確かめてください。例の金額、単価、率はすべて計算を確かめるための架空の数字で、相場ではありません。工事の粗利の見方は工事台帳の作り方の記事に、現場の写真は工事写真台帳の作り方の記事に分けています。工事番号を同じにしておくと、見積、金額、写真を同じ番号で探せます。

リフォーム見積書は、5枚のシートで1工事に1ファイル

リフォーム見積書のテンプレートは、入力する表と施主に渡す表を分けて作ります。1枚の表に打ち込んで渡す形だと、追加工事のたびに前の金額が消え、社内で見たい原価も一緒に載せられません。シートの役割は次のとおりです。

シート 1行の単位 誰が見るか 役割
設定 工事の情報、場所、含まないもの、条件 社内 見積書に出す文と、どの版を見るかを決める
版の一覧 版1つ 社内 版ごとの増減、確認、台帳に入れたかを持つ
内訳 見積の項目1つ 社内 場所、区分、数量、単価、予定原価を入れる
見積書 (入力しない) 施主 設定、版の一覧、内訳から作る渡す書類
台帳へ 工事台帳へ渡す行1つ 社内 確認の済んだ金額と原価の行を、台帳の列の順に並べる

ファイルは1工事に1つです。名前は R26-012_見積.xlsx のように工事番号で始めます。空のファイルをひな形として取っておき、工事のたびにコピーします。写真台帳と同じ持ち方で、会社に1つの工事台帳とは分かれます。

版は、施主と金額が決まった後の変更に使います。金額が決まる前に出し直す案は、版にせずファイルをコピーして R26-012_見積_案2.xlsx のように分けます。決まった案のファイルを第1版として進め、選ばれなかった案はフォルダに残します。

この記事で使う言葉は次の意味で、工事台帳の記事とそろえています。

言葉 この記事での意味
版 見積を変えた回の番号。最初が第1版
見積金額 最初に施主と決めた工事の金額。第1版の金額
追加工事 工事の途中で増減した分の、施主からいただく金額
受注金額 見積金額と追加工事の合計
予定原価 その行にかかると見込む原価。工事台帳の予定額になる
区分 材料・外注・手間・その他の4つ。工事台帳と同じ

そのまま使える、リフォーム見積書の項目表

リフォーム見積書に入れる項目は、次の15です。施主に渡す「見積書」のシートに、この順で並びます。抜けたときに起きることも書いたので、今の見積書と見比べて足りない項目から足してください。

項目 書くこと 例 抜けると起きること
宛先 施主の名前 丙 様 別の工事の書類と混ざる
工事番号と版 工事台帳や写真と同じ番号、何回目の見積か R26-012 第2版 どれが最新か分からない
工事名 何の工事か 浴室とトイレの入れ替え 内容の認識がずれる
現場 社内と施主が同じと分かる呼び方 丙様邸 複数の現場で取り違える
発行日 版を出した日 2026/10/29 有効期限が決まらない
有効期限 この金額で受けられる最後の日 2026/11/28 古い見積の金額で頼まれる
会社と担当 会社の名前、担当の名前 架空リフォーム 担当 佐藤 問い合わせ先が分からない
前の版までの金額 確認の済んだ版の合計 3,000,000 元の金額が見えない
この版の増減 今回増えた分や減った分 150,000 何がいくら変わったか伝わらない
この版を入れた金額 上の2つの合計 3,150,000 合計の認識がずれる
場所ごとの金額 場所ごとの材料、手間、その他、計 浴室、トイレ、共通 どこにいくらか分からない
諸経費と値引き 工事の計の後に、別の行で書く 諸経費、値引き、合計 値引きの後の金額が読めない
含まないもの この金額に入っていない工事や物 今ある給湯器の交換 「入っていると思った」が起きる
条件 金額が変わるときの進め方 解体後に分かった工事は確認してから進める 追加の説明が後手になる
明細 場所、内容、数量、単位、単価、金額 下の「内訳」の列 金額の根拠を説明できない

明細のもとになる「内訳」のシートは、1項目を1行にして、次の16列で持ちます。「式」の列は手で入力しません。「社内」の列は見積書に出ません。

列 項目 入れ方
A 版 この行が入った版の番号。1、2
B 場所 リストから選ぶ
C 区分 材料・外注・手間・その他から選ぶ
D 内容 ユニットバス、解体
E 数量 数字だけ。減らす行は -1
F 単位 台、㎡、人工、一式
G 単価 数字だけ
H 金額 式
I 本工事か追加か 式。工事台帳の原価明細と同じ語が出る
J 予定原価 社内。取引先の見積もりや過去の工事の金額から入れる
K 取引先 社内。自社の手間は 自社
L 確認 式
M 見せる 式
N 並び 式
O 見積書の順 式
P 台帳へ渡す順 式

場所ごとの内訳は、施主が指させる言葉で分ける

場所ごとの内訳は、工事の種類ではなく、施主が家の中で指させる言葉で分けます。「設備工事」「内装工事」で分けると、施主には自分の家のどこの金額か分かりません。浴室、トイレのように分けると、「トイレはやめる」「浴室だけ先に」という相談にも、そのまま金額で答えられます。

工事写真台帳の「部位」とは、語も単位も違います。写真の部位は 浴室A のように部屋の名前に立ち位置の記号を付けた呼び方で、見積の場所は 浴室 までです。金額は場所で見せ、写真は部位で探します。

ポイント1. 全体にかかるものは「共通」にまとめる

養生、運び出し、廃材の処分のように、場所に分けられないものは 共通 という場所にまとめます。場所は8つまでにして、設定のシートに見せたい順に並べます。この順が見積書の順になります。

ポイント2. 材料と手間を分ける

1行に材料と手間を混ぜると、後から原価と比べられません。同じ工事でも、物の行と作業の行に分けます。社内の区分は工事台帳と同じ4つですが、施主に見せる場所ごとの金額では、外注と手間を合わせて「手間」の列に出します。誰に頼むかは施主の判断に関係しないからです。

ポイント3. 一式は、中身を言える行にだけ使う

数えられる物には数量と単位を書きます。一式にするなら、内容の欄に中身を書きます。解体 一式 より 今の浴室の壁、床、天井の解体と運び出し 一式 のほうが、範囲の認識がそろいます。見積書の右の確認の欄に一式の行数が出るので、増えすぎていないかを渡す前に見ます。

ポイント4. 解体しないと分からない所は、金額に混ぜない

壁の中や床下のように、開けてみないと分からない所を、余裕の金額として一式に混ぜません。「含まないもの」に書き、見つかったときの進め方を条件に書きます。解体後の写真を撮って説明する形は、工事写真台帳の記事の場面の一覧に入れています。

ポイント5. 諸経費と値引きは、版の一覧に分けて持つ

諸経費は内訳の行にせず、版ごとの率で計算します。率は版によって変えられます。追加工事にも諸経費をかけるかどうかは、会社で決めて全員でそろえます。値引きも内訳の行に混ぜず、版の一覧の値引きの欄に金額で入れます。値引きを行に混ぜると、場所ごとの金額が読みにくくなります。諸経費の中身は、施主に聞かれたときに言えるように決めておきます。

含まないもの、有効期限、条件は、起きることから書く

含まないもの、有効期限、条件は、もめやすい場面を先に文にしたものです。定型の文を小さく載せるより、この工事で起きそうなことを短く書きます。設定のシートの列に、1行に1文ずつ入れると、見積書に出ます。枠はそれぞれ5行です。

欄 書きにくい形 伝わる書き方の例
含まないもの 別途工事は含まず 今ある給湯器の交換は、この金額に入っていません
含まないもの 既存部補修は別途 壁の中の傷みの補修は入っていません。解体後に見て、必要なら別に金額をお知らせします
含まないもの 照明器具別途 照明器具の交換は入っていません
有効期限 見積有効期限 30日 この金額は2026年11月28日まで有効です
条件 現場状況により変更あり この金額は、現地調査の時点で見える範囲の内容です
条件 追加工事は別途請求 解体して初めて分かる工事は、金額をお知らせして確認をいただいてから進めます
条件 工期は別途協議 工事の日程は確認の後に決めます

有効期限の日数は、会社で決めて設定のB7に入れます。例の30日は計算のための架空の値です。発行日に日数を足した日が、版ごとに自動で出ます。

施主に伝わる書き方の言い換え

見積書の言葉は、工事を知らない人が読んで分かる形に直します。専門の言葉のままだと、金額の高い安いだけで見られ、何に払うのかが伝わりません。内訳のD列に、右の書き方で入れます。社内の呼び方も残したいときは、右の文の後ろに括弧で添えます。

社内の書き方 施主に渡す書き方
解体撤去工事 今の浴室を取り外して運び出す作業
仮設養生 床や壁に傷がつかないよう、覆って守る作業
産廃処分費 取り外した物を処分する費用
給排水接続 水、お湯、排水の管をつなぐ作業
下地調整 壁の表面を整えて、仕上げがきれいに付くようにする作業
既存流用 今あるものをそのまま使います
別途 この金額に入っていません。必要なときは先に金額をお知らせします
現場合わせ 解体して寸法を見てから、現場で合わせます
施主支給 お客様にご用意いただく物
諸経費 現場の管理や書類の作成などの費用(自社の中身に合わせて書く)

言い換えは、一度決めたら社内で同じ言葉を使います。同じ作業に別の名前が付くと、施主は別の工事だと受け取ります。

追加・変更工事は、上書きせず版を足す

追加・変更工事で金額がずれる原因は、前の見積書を書き換えることと、口頭のまま工事に入ることです。書き換えると、最初の金額も、いつ何が増えたのかも残りません。この記事の形では、確認の済んだ行は触らず、増減の行だけを持つ新しい版を足します。減らすときも、前の行を消さず、数量を -1 にした行を足します。

版の一覧のB列の種類は、次の4つに絞ります。工事台帳の原価明細に渡す語も、ここで決まります。

種類 使う場面 工事台帳へ渡す語 金額の行き先
本工事 第1版。1ファイルに1つ 本工事 工事一覧の見積金額
追加 工事が増えた 追加 工事一覧の追加工事
変更 仕様を変えた、工事をやめた。減額もここ 追加 工事一覧の追加工事
無償 工事はするが、お金はいただかない。増減は0にする 本工事 金額なし。原価だけ入る

版の一覧のK列の状態は、提示中、確認済み、見送り の3つです。見送りになった版も消さず、行を残します。合計に入るのは確認済みの版だけです。

追加工事が出たときの進め方は、次の5つです。

手順1. 現場で分かったら、写真を撮って担当に伝える

解体後に傷みが見つかったときなどは、閉じる前に写真を撮ります。職人がその場で施主に金額を言わないように、金額は担当から伝える決まりにします。

手順2. 工事に入る前に、版を足す

版の一覧に次の番号の行を足し、内訳に増減の行を入れます。予定原価も同時に入れます。急ぐときは行が1つでもかまいません。金額を伝える前に工事を進めると、後から説明しても、施主には決まった後の話に聞こえます。

手順3. 増減と合計を見せる

設定のB8に版の番号を入れ、B9を この版だけ にすると、今回の明細と、増減の3行が見積書に出ます。工事全体の明細が必要なときは、B9を 全部 にします。PDFにして渡します。

手順4. 確認を残す

施主の確認が取れたら、版の一覧のK列を 確認済み にして、確認日、確認の残し方(書面、メール、LINEなど)、確認時の金額を入れます。確認時の金額は、J列の金額を見て数字で打ちます。後で内訳が書き換えられると、J列がこの金額と合わなくなり、判定に「確認後に変更」と出ます。これが上書きを見つける仕組みです。

手順5. 工事台帳に入れる

次の節の手順で工事台帳に入れ、版の一覧のO列に日付を入れます。入れ忘れている版には、判定に「台帳に入れる」と出ます。

工事台帳へは、金額と予定原価の2つを渡す

工事台帳へ渡すものは、工事一覧に入れる金額と、原価明細に入れる行の2つです。「台帳へ」のシートが、確認の済んだ版だけを、工事台帳の列の順に並べます。列名は台帳の記事と同じにしています。この記事の表に税の行はありません。金額は、工事台帳の記事と同じく、税を含まない形か含む形のどちらかに全部そろえます。

見積のファイル 工事台帳の入れ先 いつ入れるか
台帳へ B1 見積金額 工事一覧 H列 見積金額 第1版の確認の後に1回だけ。以後は書き換えない
台帳へ B2 追加工事 工事一覧 I列 追加工事 版を確認するたびに、この合計に置き換える
台帳へ A〜F列の行 原価明細 A〜F列 版を確認するたびに、その版の行だけを足す
台帳へ B4 予定原価の合計 工事一覧 K列 実行予算と見比べる 貼った後
台帳へ B5 予定粗利率 工事一覧 P列 予定粗利率と見比べる 貼った後

原価明細へ渡すときは、「台帳へ」の9行目以下から、H列の版の番号を見て今回の版の行だけを選び、A列からF列をコピーします。工事台帳の原価明細の空の行に、貼り付けオプションの「値のみ」で貼ります。そのまま貼ると式が写ります。すでに貼った版の行は重ねて貼りません。

予定原価は、見積の金額から割り戻さず、取引先の見積もりや過去の工事の金額から入れます。工事台帳の実行予算と同じ考え方です。行は見積の項目ごとになるので、発注の単位と違うときは、原価明細に貼った後で行を分けます。発注したら、工事台帳の側で取引先と実際額を入れていきます。

残金をいただいた後に追加が出たときは、工事台帳の記事のとおり、R26-012-2 のように枝番を付けて工事一覧に別の行を作ります。見積のファイルは同じままで版を足し、「台帳へ」から貼った後で、原価明細のA列を枝番に書き換え、E列を 本工事 に直します。金額はその版の増減だけを、枝番の行の見積金額に入れ、元の行の追加工事には足しません。E列が 追加 のままだと、枝番の行のI列が空なので、請求するのに判定に「追加の請求なし」と出ます。このときは「台帳へ」のB2やB4と元の行の数字が同じにならないので、版の一覧の「何を変えたか」に枝番を書いておきます。

Excelで見積書を作る手順は、7つ

エクセル(Excel)で見積書を作るときは、最初に5枚のシートを名前だけ作り、式は設定、版の一覧、内訳、見積書、台帳への順に入れます。式が別のシートの名前を指すので、シートがそろっていれば、参照先がまだ空でも途中でエラーになりません。

ここの式は、表計算のライブラリで計算して確かめたもので、ExcelとGoogleスプレッドシートの実物では未実行です。試した範囲は「動かして確かめた結果」の節に書きます。シート名は、Microsoftのヘルプに合わせて '内訳'! のように引用符で囲んでいます。

手順1. シートを5枚、名前だけ先に作る

新しいブックに、シートを5枚作ります。名前は左から「設定」「版の一覧」「内訳」「見積書」「台帳へ」です。1文字でも違うと式がエラーになるので、ここで正確に入れます。

手順2. 設定のシートに値を入れる

A列に項目の名前、B列に値を書きます。D列からF列は1行目に見出しを書き、2行目から下に入れます。

セル 項目 入れる値
A1、B1 工事番号 R26-012
A2、B2 工事名 浴室とトイレの入れ替え
A3、B3 現場の呼び方 丙様邸
A4、B4 施主 丙。見積書に「様」が付く
A5、B5 担当 佐藤
A6、B6 会社名 自社の名前
A7、B7 有効の日数 30(例。自社の日数を入れる)
A8、B8 見る版 1
A9、B9 見る範囲 全部
D1、D2〜D9 場所 見積書に出す順に。最大8つ
E1、E2〜E6 含まないもの 1行に1文。最大5つ
F1、F2〜F6 条件 1行に1文。最大5つ

手順3. 版の一覧のシートに式を入れる

1行目に次の20列の項目を、左から順に入れます。A列から順に、版、種類、何を変えたか、発行日、有効期限、諸経費の率、値引き、工事の計、諸経費、この版の増減、状態、確認日、確認の残し方、確認時の金額、台帳に入れた日、決まった金額の累計、予定原価、予定粗利率、見せる、判定です。

先に表示形式を決めます。行を選んで「ホーム」の数値の欄、または Ctrl + 1 の「セルの書式設定」で指定します。F列は値を入れる前にパーセンテージにしておきます。Microsoftのヘルプでは、先に形式を付けたセルは 10 と入れても 10% になります。

列 表示形式
D、E、L、O 日付
F、R パーセンテージ(小数1桁)
G、H、I、J、N、P、Q 数値(桁区切りあり)

2行目の次の9か所に式を入れ、31行目までコピーします。版は30までです。

E2(有効期限)
=IF(OR(A2="",NOT(ISNUMBER(D2))),"",D2+'設定'!$B$7)

H2(工事の計)
=IF(A2="","",SUMIFS('内訳'!$H:$H,'内訳'!$A:$A,A2))

I2(諸経費)
=IF(A2="","",ROUND(H2*F2,0))

J2(この版の増減)
=IF(A2="","",H2+I2-G2)

P2(決まった金額の累計)
=IF(A2="","",SUMIFS($J$2:J2,$K$2:K2,"確認済み"))

Q2(予定原価)
=IF(A2="","",SUMIFS('内訳'!$J:$J,'内訳'!$A:$A,A2))

R2(予定粗利率)
=IF(A2="","",IF(J2<=0,"",(J2-Q2)/J2))

S2(見せる)
=IF(A2="","",IF('設定'!$B$9="この版だけ",IF(A2='設定'!$B$8,1,0),IF(OR(A2='設定'!$B$8,AND(A2<'設定'!$B$8,K2="確認済み")),1,0)))

T2(判定)
=IF(A2="","",IF(COUNTIF($A:$A,A2)>1,"版が重複",IF(COUNTIF('内訳'!$A:$A,A2)=0,"行がない",IF(AND(B2<>"本工事",B2<>"追加",B2<>"変更",B2<>"無償"),"種類を確認",IF(COUNTIF($B:$B,"本工事")>1,"本工事が2つ",IF(OR(F2<0,F2>=1),"率を確認",IF(AND(B2="無償",J2<>0),"無償なのに金額",IF(K2="確認済み",IF(OR(L2="",M2=""),"確認を残す",IF(N2="","金額を残す",IF(N2<>J2,"確認後に変更",IF(O2="","台帳に入れる","")))),IF(K2="見送り","",IF(K2<>"提示中","状態を確認",IF(E2="","発行日を入れる",IF(E2<TODAY(),"期限切れ",IF(E2-TODAY()<=7,"7日以内","")))))))))))))

Tの判定に出る言葉は「動かして確かめた結果」と「よくあるずれと直し方」の節にまとめます。

手順4. 内訳のシートに式を入れる

1行目に前の節の16列の項目を入れます。G、H、J列の表示形式は数値(桁区切りあり)にします。2行目の次の7か所に式を入れ、301行目までコピーします。版が空の行は空のままなので、先に下までコピーしておけます。

H2(金額)
=IF(OR(A2="",NOT(ISNUMBER(E2)),NOT(ISNUMBER(G2))),"",ROUND(E2*G2,0))

I2(本工事か追加か)
=IF(A2="","",IFERROR(IF(OR(INDEX('版の一覧'!$B:$B,MATCH(A2,'版の一覧'!$A:$A,0))="追加",INDEX('版の一覧'!$B:$B,MATCH(A2,'版の一覧'!$A:$A,0))="変更"),"追加","本工事"),""))

L2(確認)
=IF(A2="",IF(COUNTA(B2:G2)>0,"版を入れる",""),IF(COUNTIF('版の一覧'!$A:$A,A2)=0,"版を確認",IF(COUNTIF('設定'!$D$2:$D$9,B2)=0,"場所を確認",IF(AND(C2<>"材料",C2<>"外注",C2<>"手間",C2<>"その他"),"区分を確認",IF(D2="","内容を入れる",IF(OR(NOT(ISNUMBER(E2)),NOT(ISNUMBER(G2))),"数字を確認",IF(F2="","単位を入れる",IF(J2="","原価を入れる",IF(NOT(ISNUMBER(J2)),"原価を確認","")))))))))

M2(見せる)
=IF(A2="","",IFERROR(INDEX('版の一覧'!$S:$S,MATCH(A2,'版の一覧'!$A:$A,0)),0))

N2(並び)
=IF(M2<>1,"",IFERROR(MATCH(B2,'設定'!$D$2:$D$9,0),99)*10000+ROW())

O2(見積書の順)
=IF(N2="","",COUNTIF($N:$N,"<="&N2))

P2(台帳へ渡す順)
=IF(OR(A2="",J2=""),"",IF(IFERROR(INDEX('版の一覧'!$K:$K,MATCH(A2,'版の一覧'!$A:$A,0)),"")="確認済み",COUNT($P$1:P1)+1,""))

手順5. 見積書のシートに文字と式を入れる

まず、変わらない文字を入れます。

セル 入れる文字
A3〜A8 工事番号、工事名、現場、発行日、有効期限、会社と担当
A10〜A12 前の版までの金額、この版の増減、この版を入れた金額
A14、B14、C14、D14、F14 場所、材料、手間、その他、計
A23〜A26 工事の計、諸経費、値引き、合計
A28、A34 含まないもの、条件
A41〜F41 場所、内容、数量、単位、単価、金額
H1〜H5 一式の行、載らない行、金額の差、明細の差、内訳の確認
H41 順

H42に 1、H43に =H42+1 を入れ、81行目までコピーします。次に、1か所だけに入れる式です。

A1(題)
=IF(IFERROR(INDEX('版の一覧'!$B:$B,MATCH('設定'!$B$8,'版の一覧'!$A:$A,0)),"")="本工事","見積書","追加・変更の見積書")

A2(宛先)
='設定'!$B$4&" 様"

B3(工事番号と版)
='設定'!$B$1&" 第"&'設定'!$B$8&"版"

B4(工事名)
='設定'!$B$2

B5(現場)
='設定'!$B$3

B6(発行日)
=IFERROR(INDEX('版の一覧'!$D:$D,MATCH('設定'!$B$8,'版の一覧'!$A:$A,0)),"")

B7(有効期限)
=IFERROR(INDEX('版の一覧'!$E:$E,MATCH('設定'!$B$8,'版の一覧'!$A:$A,0)),"")

B8(会社と担当)
='設定'!$B$6&" 担当 "&'設定'!$B$5

F10(前の版までの金額)
=SUMIFS('版の一覧'!$J:$J,'版の一覧'!$K:$K,"確認済み",'版の一覧'!$A:$A,"<"&'設定'!$B$8)

F11(この版の増減)
=IFERROR(INDEX('版の一覧'!$J:$J,MATCH('設定'!$B$8,'版の一覧'!$A:$A,0)),0)

F12(この版を入れた金額)
=F10+F11

F23(工事の計)
=SUM(F15:F22)

F24(諸経費)
=SUMIFS('版の一覧'!$I:$I,'版の一覧'!$S:$S,1)

F25(値引き)
=-SUMIFS('版の一覧'!$G:$G,'版の一覧'!$S:$S,1)

F26(合計)
=SUM(F23:F25)

I1(一式の行)
=COUNTIFS('内訳'!$F:$F,"一式",'内訳'!$M:$M,1)

I2(載らない行)
=MAX(0,COUNTIF('内訳'!$M:$M,1)-40)

I3(金額の差)
=IF('設定'!$B$9="この版だけ",F26-F11,F26-F12)

I4(明細の差)
=SUM(F42:F81)-F23

I5(内訳の確認)
=COUNTIF('内訳'!$L$2:$L$301,"*を*")

次の式は、書いた行に入れて、括弧の中の行までコピーします。

A15(場所。22行目まで)
=IF('設定'!$D2="","",'設定'!$D2)

B15(材料。22行目まで)
=IF($A15="","",SUMIFS('内訳'!$H:$H,'内訳'!$B:$B,$A15,'内訳'!$C:$C,"材料",'内訳'!$M:$M,1))

C15(手間。外注と手間の合計。22行目まで)
=IF($A15="","",SUMIFS('内訳'!$H:$H,'内訳'!$B:$B,$A15,'内訳'!$C:$C,"外注",'内訳'!$M:$M,1)+SUMIFS('内訳'!$H:$H,'内訳'!$B:$B,$A15,'内訳'!$C:$C,"手間",'内訳'!$M:$M,1))

D15(その他。22行目まで)
=IF($A15="","",SUMIFS('内訳'!$H:$H,'内訳'!$B:$B,$A15,'内訳'!$C:$C,"その他",'内訳'!$M:$M,1))

F15(計。22行目まで)
=IF($A15="","",SUM(B15:D15))

A29(含まないもの。33行目まで)
=IF('設定'!$E2="","",'設定'!$E2)

A35(条件。39行目まで)
=IF('設定'!$F2="","",'設定'!$F2)

A42(場所。81行目まで)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$B:$B,MATCH($H42,'内訳'!$O:$O,0)),"")

B42(内容。81行目まで)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$D:$D,MATCH($H42,'内訳'!$O:$O,0)),"")

C42(数量。81行目まで)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$E:$E,MATCH($H42,'内訳'!$O:$O,0)),"")

D42(単位。81行目まで)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$F:$F,MATCH($H42,'内訳'!$O:$O,0)),"")

E42(単価。81行目まで)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$G:$G,MATCH($H42,'内訳'!$O:$O,0)),"")

F42(金額。81行目まで)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$H:$H,MATCH($H42,'内訳'!$O:$O,0)),"")

表示形式は、B6とB7を日付、F10からF12、B15からD22、F15からF26、E42からF81を数値(桁区切りあり)にします。

H列とI列は印刷しない確認の欄です。渡す前に見ます。

セル 見ること
I1 一式の行 増えすぎていないか
I2 載らない行 0であること。明細の枠は40行まで
I3 金額の差 0であること。合計と3行の金額が合っているか
I4 明細の差 0であること。明細の合計と工事の計が合っているか
I5 内訳の確認 0であること。内訳のL列に出ている件数

I5は、内訳のL列に出る言葉にすべて「を」が入っていることを使って数えています。L列の言葉を変えるときは、「を」を残します。

手順6. 台帳へのシートに式を入れる

A1からA6に「見積金額」「追加工事」「受注金額」「予定原価の合計」「予定粗利率」「金額の差」と入れます。8行目のA列からH列に「工事番号」「区分」「内容」「取引先」「本工事か追加か」「予定額」「順」「版」と入れます。G9に 1、G10に =G9+1 を入れ、308行目までコピーします。

B1(見積金額)
=SUMIFS('版の一覧'!$J:$J,'版の一覧'!$B:$B,"本工事",'版の一覧'!$K:$K,"確認済み")

B2(追加工事)
=SUMIFS('版の一覧'!$J:$J,'版の一覧'!$B:$B,"追加",'版の一覧'!$K:$K,"確認済み")+SUMIFS('版の一覧'!$J:$J,'版の一覧'!$B:$B,"変更",'版の一覧'!$K:$K,"確認済み")

B3(受注金額)
=B1+B2

B4(予定原価の合計)
=SUM($F$9:$F$308)

B5(予定粗利率)
=IF(B3=0,"",(B3-B4)/B3)

B6(金額の差)
=B3-SUMIFS('版の一覧'!$J:$J,'版の一覧'!$K:$K,"確認済み")

次の式は9行目に入れ、308行目までコピーします。

A9(工事番号)
=IFERROR(IF(MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0)>0,'設定'!$B$1,""),"")

B9(区分)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$C:$C,MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0)),"")

C9(内容)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$D:$D,MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0)),"")

D9(取引先)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$K:$K,MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0))&"","")

E9(本工事か追加か)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$I:$I,MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0)),"")

F9(予定額)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$J:$J,MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0)),"")

H9(版)
=IFERROR(INDEX('内訳'!$A:$A,MATCH($G9,'内訳'!$P:$P,0)),"")

B5の表示形式はパーセンテージ、それ以外の金額の欄は数値(桁区切りあり)にします。

手順7. リスト、色、印刷を整え、架空の1工事で試す

「データ」の「データの入力規則」で、次の列にリストを付けます。「元の値」の欄(ヘルプの表記は「ソース」)に入れます。場所は別のシートの範囲を指定します。

シート 列 リストの値
版の一覧 B 種類 本工事,追加,変更,無償
版の一覧 K 状態 提示中,確認済み,見送り
内訳 B 場所 ='設定'!$D$2:$D$9
内訳 C 区分 材料,外注,手間,その他
設定 B9 見る範囲 全部,この版だけ

式の列(版の一覧のE、H、I、J、P、Q、R、S、T、内訳のH、I、L、M、N、O、P)は色を変えて、手で打たないようにします。判定のT列と確認のL列には、「ホーム」の「条件付き書式」で文字に色を付けます。

見積書の印刷は、A4縦、余白は上下左右1.5cmにします。「ページレイアウト」の「印刷範囲」で A1:F81 を指定し、41行目の上に改ページを入れます。列の幅は、「表示」の「ページレイアウト」に切り替えて、次の値に合わせます。

列 A B C D E F
幅 3.0cm 5.2cm 2.2cm 2.0cm 2.4cm 2.8cm

横の合計は17.8cmで、使える幅の18.0cmに収まる計算です。

最後に、架空の1工事を第1版と第2版まで入れ、手計算と合うかを確かめます。確認の欄のI2からI5が0で、版の一覧の判定が意図どおりかも見ます。確かめたら架空の行を消し、空のファイルをひな形として別に保存します。

Googleスプレッドシートでも、シートの分け方と式は同じ形で書けますが、実物では試していません。操作の読み替えは工事台帳の記事の表と同じです。

架空の工事で読むと、版の一覧はこうなる

架空の工事 R26-012 に4つの版を入れて、ライブラリで計算した結果です。金額はすべて計算を確かめるための架空の数字で、率の10%も例です。工事台帳の記事の R26-012 と同じ工事にしてあります。

版 種類 工事の計 諸経費 値引き この版の増減 状態 決まった金額の累計 予定原価 予定粗利率
1 本工事 2,800,000 280,000 80,000 3,000,000 確認済み 3,000,000 2,060,000 31.3%
2 追加 140,000 14,000 4,000 150,000 確認済み 3,150,000 80,000 46.7%
3 追加 30,000 0 0 30,000 見送り 3,150,000 12,000 60.0%
4 変更 -20,000 0 0 -20,000 提示中 3,150,000 -8,000 (空欄)

第3版は見送りなので、第4版の時点でも累計に入っていません。第4版は提示中なので、確認が済むまで累計は3,150,000のままです。

見積書の金額の3行は、見る版と範囲で次のように変わります。

見る版 見る範囲 前の版までの金額 この版の増減 この版を入れた金額 見積書の合計
1 全部 0 3,000,000 3,000,000 3,000,000
2 全部 3,000,000 150,000 3,150,000 3,150,000
2 この版だけ 3,000,000 150,000 3,150,000 150,000
4 全部 3,150,000 -20,000 3,130,000 3,130,000

第2版を「全部」で見たときの、場所ごとの金額です。

場所 材料 手間 その他 計
浴室 1,200,000 1,260,000 0 2,460,000
トイレ 260,000 120,000 0 380,000
共通 0 0 100,000 100,000
工事の計 2,940,000
諸経費 294,000
値引き -84,000
合計 3,150,000

「台帳へ」のシートには、確認の済んだ第1版と第2版の8行が並びました。

工事番号 区分 内容 取引先 本工事か追加か 予定額
R26-012 材料 ユニットバス 甲商店 本工事 950,000
R26-012 材料 トイレ 甲商店 本工事 180,000
R26-012 外注 解体 丁工業 本工事 180,000
R26-012 外注 設備工事 乙設備 本工事 420,000
R26-012 外注 電気工事 戊電気 本工事 90,000
R26-012 手間 大工 自社 本工事 180,000
R26-012 その他 廃材の処分 丙運送 本工事 60,000
R26-012 外注 土台の補修 丁工業 追加 80,000

見積金額は3,000,000、追加工事は150,000、受注金額は3,150,000、予定原価の合計は2,140,000、予定粗利率は32.1%です。この金額と行を、工事台帳の記事の式で作った表へ渡して計算すると、工事一覧の受注金額、実行予算、予定粗利率が同じ数字になりました。第2版の予定粗利率を見ると、追加工事の分だけで粗利が取れているかも分かります。

動かして確かめた結果

この記事の式は、2026年11月1日に、Node.js 24.22.1 の上で HyperFormula 3.5.0 を使って計算しました。HyperFormula は表計算の関数を計算するライブラリで、ExcelやGoogleスプレッドシートそのものではありません。Python 3.9.6 の openpyxl 3.1.5 で実際の .xlsx ファイルを作り、そこから入力と式を読んで計算しました。ファイルの式は5,124本で、計算のエラーは0です。

架空のデータを乱数で3組作りました。1組は版が9〜14、内訳が200〜290行です。見積書の金額と明細はすべての版と「全部」「この版だけ」の組み合わせ64通りで、版の一覧の金額の列、内訳のH列とI列、台帳への金額と行は組ごとに、式を使わずにPythonで別に書いた計算と比べました。合わせて25,818セルで不一致は0です。判定と確認の列はこの比べ方に入っていないので、ずれの表の場面で1つずつ見ました。式を入れた空の行は、版の一覧と内訳のどの列も空のままでした。内訳の入力の順を混ぜて作り直しても、見積書の金額と台帳へ渡す金額は変わりませんでした。ただし、これは順を変えたファイルを計算したもので、Excelの並べ替えの機能を使ったものではありません。

本文の式の文字列だけを切り出し、手順2から手順6の順にブックを作り直す確認もしました。本文の62本の式から作ったブックは、完成品の5,124本の式と全部一致し、どの段階でも計算のエラーは0でした。使う関数は AND、COUNT、COUNTA、COUNTIF、COUNTIFS、IF、IFERROR、INDEX、ISNUMBER、MATCH、MAX、NOT、OR、ROUND、ROW、SUM、SUMIFS、TODAY の18種です。

有効期限の判定は、提示中の版で次のようになりました。

有効期限 T列の表示
昨日 期限切れ
今日 7日以内
7日後 7日以内
8日後 (空欄)
発行日が空か文字 発行日を入れる

金額の端数は、ROUNDで整数にしています。数量 2.35、単価 1,985 の行は、計算上4,664.75で、金額は4,665になりました。数量を -2.35 にすると-4,665です。

動かせなかった所もあります。ExcelとGoogleスプレッドシートの実物では動かしていません。引用符付きのシート名、* を使ったCOUNTIF、空のセルの比べ方は、実物で変わることがあります。Excelでは、内容や単位の空のセルを呼び出すと 0 と出る可能性があるので、内訳のL列で空を見つけて埋めます。表示形式、リスト、印刷の範囲、改ページはファイルに書き込みましたが、実物で開いて見てはいません。条件付き書式は入れていません。列の幅は計算だけで、印刷はしていません。式の下へのコピーはプログラムで再現したもので、手では試していません。「値のみ」の貼り付けは、値を別の表に入れて再現したものです。工事台帳への受け渡しは、架空の工事 R26-012 の1件で試しました。金額はすべて架空です。使う前に、架空の1工事で手計算と合うことを確かめてください。

よくあるずれと直し方

見積で起きやすいずれを、試したときの表示と一緒にまとめます。見積書の確認の欄(I2〜I5)と、版の一覧の判定(T列)を見れば、多くは渡す前に見つかります。

起きること 試した結果 直し方
確認の済んだ版の単価を書き換えた 判定に「確認後に変更」。合計も台帳へ渡す金額も変わる 元の値に戻す。変えたいなら版を足す
場所の最後に空白が入った(浴室 ) 確認に「場所を確認」。場所ごとの金額から1,200,000が抜け、金額の差と明細の差が0でなくなる リストから選ぶ
区分を 外注費 と打った 確認に「区分を確認」。場所ごとの金額から抜ける リストから選ぶ
数量に 1台、単価に 24万 と打った 金額が空で、確認に「数字を確認」。合計から抜けるが、金額の差は0のまま 内訳の確認(I5)を必ず見る。数字だけ入れる
版が空の行を入れた 確認に「版を入れる」。合計から抜ける 版の番号を入れる
版の一覧にない番号を入れた 確認に「版を確認」。合計に入らない 版の一覧に行を足すか、番号を直す
見送りの版の行を消した その版の内訳に「版を確認」 版は消さず、見送りにする
種類を 追加工事 と打った 判定に「種類を確認」。台帳へ渡す追加工事が0で、「台帳へ」のB6の金額の差が-150,000 リストから選ぶ
諸経費の率に 10 と入った 判定に「率を確認」。諸経費が工事の計の10倍で計算される 率の列を先にパーセンテージにする
本工事を2つ作った 判定に「本工事が2つ」 第1版だけを本工事にする
版の番号が2行で同じ 判定に「版が重複」 番号は1回だけ使う
無償の版に金額が残った 判定に「無償なのに金額」 単価を0にするか、種類を変える
版の一覧に行を足したが、内訳に行がない 判定に「行がない」 内訳に増減の行を入れる
確認済みにしたが、確認日か確認の残し方が空 判定に「確認を残す」 確認日と残し方を入れる
確認済みにしたが、確認時の金額が空 判定に「金額を残す」 J列の金額を見て数字で打つ
状態が空か、リストにない言葉 判定に「状態を確認」 リストから選ぶ
予定原価が空か文字 確認に「原価を入れる」か「原価を確認」。予定原価の合計が少なくなる 取引先の見積もりから数字を入れる
明細が41行以上になった 42行で試すと、載らない行が2、明細の差が-2,000。合計は合っている 場所ごとにまとめ直すか、明細の枠を増やす
見る版に、ない番号を入れた 発行日が空で、増減が0。金額の差は0のまま 発行日が空のまま渡さない
同じ版を工事台帳に2回貼った 台帳の実行予算が4,280,000になり、判定が「赤字」。明細の確認の件数は0のまま 台帳へのB4と実行予算を見比べ、重なった行を消す
追加と変更の差し引きが0で、原価は増えた 台帳のI列が0になり、判定に「追加の請求なし」 差し引きで0と分かっているなら、理由を版に残す
減額の版を台帳に入れた 追加工事に-20,000、原価に-8,000を入れると、受注金額3,130,000、実行予算2,132,000で計算された マイナスのまま入れる

版を増やして起きることも1つあります。見積の単価を別の表から式で引くと、表の単価を変えたときに、確認の済んだ版の金額まで変わります。よく使う項目の単価は別の表に控えておき、内訳へは数字で入れます。

社内で見積の形をそろえる手順は、6つ

見積書の形が人によって違うときは、新しい表を配る前に、今の見積書を並べて違いを見ます。形がそろわない原因は、ひな形の有無より、言葉と決まりが人の頭の中にあることだからです。

手順1. 最近の見積書を担当ごとに並べる

担当ごとに、最近の見積書を数件ずつ机に並べます。場所の分け方、一式の使い方、諸経費の書き方、値引きの出し方、含まないものの有無を見比べ、違いを書き出します。

手順2. 決まりを紙1枚に書く

次の項目を決めます。誰かの正解を選ぶのではなく、会社の形として決めます。

決めること 例
場所の呼び方 浴室、トイレ、洗面、台所、共通
工事番号の付け方 工事台帳、工事写真と同じ R26-012
一式を使ってよい行 中身を内容に書ける行だけ
諸経費の率と、追加工事にかけるか 会社で1つに決める
値引きを決められる人 社長だけ、など
有効の日数 全員同じ日数
追加工事の金額を伝える人 担当だけ、職人は言わない

手順3. 言い換えの表と、含まないものの文を1つにする

この記事の言い換えの表を、自社の言葉に直して1枚にします。含まないものと条件の文も、よく使うものを5〜10本に絞り、ひな形の近くに置きます。

手順4. よく使う項目と単価を控える

よく使う項目の内容、単位、単価を、別の1つの表に控えます。担当はそこから内訳へ数字で入れます。単価は誰がいつ見直すかも決めます。

手順5. 渡す前に、2人目が見る

見積書を渡す前に、担当とは別の人が、チェックリストと確認の欄を見ます。小さな会社なら社長で足ります。全部の金額を見直すのではなく、抜けと決まりから外れた所だけを見ます。

手順6. 月に1回、見送りと追加を見返す

月に1回、見送りになった版と、追加工事が出た版を見返します。同じ追加が何度も出るなら、含まないものや現地調査の項目に足します。工事台帳の月の確認で「追加の請求なし」が出た工事があれば、どの段階で版を足せなかったのかも見ます。

Excelでは足りなくなる線

Excelから見積の仕組みやソフトへ移す線は、見積の件数より、同じ内容の打ち直しと、版の漏れで決めます。1工事1ファイルは、件数が少ないうちは分かりやすい形です。足りなくなるのは、次のことが起きたときです。

起きていること なぜ足りないか 次の手
見積の内容を、発注書や工事台帳に打ち直している 同じ内容を別の場所で持っている 見積の項目から発注と実行予算の行を作る
「台帳へ」の貼り付けを忘れる、重ねて貼る 2つのファイルを手でつないでいる 版の確認で工事台帳に自動で入る形にする
ファイルが増え、過去の似た工事の見積を探せない 1工事1ファイルでは横断して探せない 工事の種類や場所で探せる1つの記録にする
単価の表が人ごとに分かれ、古い単価で出している 単価を1か所で直せない 単価を1か所で持ち、見積の時点の値を残す
外出先で追加の版を作れず、事務所に戻るまで工事が止まる パソコンの上のファイルでしか作れない スマホから版を足し、施主の確認まで進める形にする
複数の担当が同じ見積を直し、上書きが起きる 1つのファイルを同時に書き換えている 版ごとに保存され、直せる人を分ける

1つ当てはまっても、全部を作り直す必要はありません。手で作るか開発するかの分かれ目は、ノーコードと開発の分かれ目の記事に条件を分けて書いています。

見積の仕組みやソフトへ移す手順は、5つ

見積の仕組みやソフトへ移すときは、今の見積を1工事ずつ試せる形に整えてから進めます。リフォームの見積ソフトを探すときも、既製のものを使うときも、開発するときも、順番は同じです。

手順1. 決まりと項目を書き出す

社内の決まりの紙1枚、この記事の項目表、版の種類と状態を、1つにまとめます。これが、ソフトを試すときの物差しにも、開発の仕様にもなります。

手順2. 実際の工事1件で試す項目を決める

見本の画面を見るだけでなく、追加工事のあった工事を1件入れて試します。見るのは次の5つです。

試すこと 見る所
場所ごとに分けられるか 自社の場所の分け方で明細と合計が出る
版を持てるか 前の版を残したまま増減の版を足せる
確認を残せるか いつ、どの金額で確認したかが残る
原価を分けて持てるか 施主に渡す書類に原価が出ない
工事台帳へつなげるか 金額と予定原価を打ち直さずに渡せる

手順3. 最初に移す場所を1つ選ぶ

いちばん手間のかかっている所から移します。打ち直しが重いなら見積から発注へのつなぎ、版の漏れが重いなら追加の版と確認です。

手順4. 進行中の工事は、版の一覧から移す

過去の見積を全部移すかどうかは、先に決めます。進行中の工事は、確認の済んだ版の金額と内訳を移します。表の内容を移す手順はExcelから業務システムへのデータ移行の記事に書いています。

手順5. 数件は並べて、金額を照合する

数件の工事は、Excelの見積書と新しい形の両方で金額を出して見比べます。合計、場所ごとの金額、工事台帳へ渡す金額が合ってから、Excelを閉じます。

見積書を渡す前のチェックリスト

見積書を施主に渡す前に、次の項目を確かめます。

  • 工事番号が、工事台帳や工事写真と同じになっている
  • 設定の見る版と見る範囲が、渡す版になっている
  • 版の一覧の判定に、直す言葉が出ていない
  • 見積書の確認の欄のI2からI5が、すべて0になっている
  • 発行日と有効期限が入っている
  • 一式の行は、中身を内容に書いた
  • 含まないものに、この工事で起きそうなことを書いた
  • 解体後に分かった工事の進め方を、条件に書いた
  • 内訳の言葉を、施主が読んで分かる形にした
  • 予定粗利率を見て、値引きを決めた
  • 見積書のシートだけをPDFにした。Excelのファイルのままは渡さない
  • 2人目が見た

Excelのファイルのまま渡すと、内訳のシートの予定原価と取引先が相手に見えます。シートを隠しても、ファイルの中には残ります。渡すのはPDFだけにします。

自社でやる場合と、任せる場合

自社でやる場合は、この記事の項目と式でひな形を作り、社内の決まりを紙1枚にします。続けるのに要るのは、担当が版を足すこと、確認の日と金額を残すこと、事務が工事台帳へ渡すことの3つです。単価、諸経費の率、値引き、何を含まないものにするかは、任せる場合でも会社の側でしか決められません。

任せる場合、株式会社bundlyzeは、Web・システムのことは何でも対応できます。ホームページ制作と業務システム開発を受けています。見積と工事台帳をつなぐ仕組みの相談はシステム開発の案内ページから、ホームページの相談はホームページ制作のご案内から受け付けています。

出典(一次情報)

Excelの機能についての説明は、次の公式の資料に基づいています。確認日はどれも2026年11月1日です。ヘルプは更新されることがあるので、作業の前に最新のものを確かめてください。

5枚のシートの分け方、15の項目、内訳の16列、版の種類と状態、判定の言葉と順番、言い換えの表、含まないものと条件の文例、諸経費と値引きの持ち方、社内でそろえる手順、足りなくなる線、仕組みへ移す手順は、この記事で決めた進め方で、上の資料が示した手順ではありません。動かした結果は架空のデータによるもので、実際の工事の数字ではありません。

よくある質問

リフォームの見積書のテンプレートには、何を入れればよいですか?

工事番号と版、発行日と有効期限、工事の場所ごとの金額、材料と手間の内訳、諸経費、値引き、含まないもの、条件を入れます。金額は「前の版までの金額」「この版の増減」「この版を入れた金額」の3行で見せると、追加工事でも合計のずれが見えます。

見積書に「一式」と書いてはいけませんか?

書いてよい場所を絞ります。数量を数えられる物には数量と単位を書き、一式にするなら、何が入っているかを内容の欄に書きます。解体してみないと分からない所は、一式に入れず「含まないもの」に書き、起きたときの進め方を条件に書きます。

追加工事の見積書は、どう作りますか?

前の見積書を上書きせず、増えた分や減った分の行だけを持つ新しい版を足します。施主には今回の内容と増減、変更後の合計を見せ、確認を残してから工事に入ります。確認の済んだ版の金額を、工事台帳の追加工事に足します。

リフォームの見積書はエクセルで作れますか?

作れます。この記事では「設定」「版の一覧」「内訳」「見積書」「台帳へ」の5枚のシートで作ります。関数は計算のライブラリで動かして確かめたもので、ExcelとGoogleスプレッドシートの実物では未実行です。使う前に、架空の1工事を入れて手計算と合うかを確かめてください。

リフォームの見積ソフトは、いつ必要になりますか?

件数より、同じ内容の打ち直しや、版の確認の漏れが起きているかで決めます。見積の内容を発注書や工事台帳に打ち直している、複数の人が同時に見積を直す、といったことが続くなら、移す時期です。実際の工事1件を入れて、版の持ち方と工事台帳へのつなぎ方を試してから決めます。

この記事の書き方と確認の方針