リフォーム・工務店

工事写真台帳の作り方撮る場面の一覧とExcelの手順

リフォーム会社の工事写真台帳(工事写真帳)の作り方です。そのまま使える撮る場面の一覧、写真の名付け方と置き場所、Excelとスプレッドシートの手順と式、撮り忘れの防ぎ方、施主への渡し方、施工事例への流用までまとめます。

この記事の結論:工事写真台帳は、着工前に「撮る場面の一覧」を作り、撮った写真を「写真一覧」に1枚1行で記録し、施主に渡す写真だけを「台帳」のシートに貼る、という3段で作ります。Excelでもスプレッドシートでも同じ形です。いちばん大事なのは、解体後・下地・配管のように閉じると二度と撮れない場面に、閉じる日を入れて確認することです。写真の名前は「工事番号_場面番号_部位_連番」にそろえ、元の写真は縮めずに工事ごとのフォルダへ残します。現場が重なって写真の整理が追いつかなくなったら、仕組みへ移す時期です。

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この記事は、小さなリフォーム会社の社長と現場担当の方に向けて、施主に渡す報告と自社の記録としての工事写真台帳(工事写真帳)の作り方を書きます。公共工事の提出書類の基準や、法令上の書類の扱いは扱いません。公共工事のほか、補助金や保険の申請で写真の撮り方が指定されている工事は、着工前に先方の要領を読み、そちらに従ってください。写真の保管の年数は、顧問の専門家に確かめて自社で決めてください。施工事例のページを検索に載せる話は、施工事例が検索に出ない原因のコラムに分けています。

工事写真台帳は、場面の一覧・写真一覧・台帳の3つで作る

工事写真台帳は、写真を貼った1枚の表だけで作ろうとすると続きません。撮る前の確認、撮った後の記録、渡すための書類は、見る時期も見る人も違うからです。1つのファイルにシートを分けて持ちます。

シート 1行の単位 いつ使うか 何が分かるか
撮る場面 場面と部位の組み合わせ1つ 着工前に作り、毎日見る 撮り終えた所と、足りない所
写真一覧 写真1枚 撮った日か翌日に入れる いつ、どこを、誰が撮ったか
台帳 写真1枚が1つの枠 引き渡しの前に作る 施主に渡す書類そのもの

このほかに、工事番号や工事名を書く「表紙」のシートを1枚作ります。ファイルは1工事に1つです。空のファイルをひな形として取っておき、工事のたびにコピーします。

そのまま使える、工事写真の撮る場面の一覧

工事写真で撮る場面は、次の12に分けると、多くの工事に当てはめられます。「撮り直し」の欄が「不可」の場面は、工事が進むと同じ写真を二度と撮れません。一覧の中で最初に確認するのは、この不可の行です。

番号 場面 撮るもの 撮り直し 主な使い道
01 現地調査 建物の全景、工事する所、気になる傷や汚れ、設備の型番、搬入の経路 不可 見積もりの根拠、自社の記録
02 着工前 工事する部屋の全景を決めた立ち位置から、周りの床や壁の傷、共用部の状態 不可 施主への報告、施工事例
03 養生 床や壁、通路を覆った状態 可 施主への報告
04 解体中 外している途中の様子、撤去する物 不可 自社の記録
05 解体後 壁や床の中の状態、傷みや腐れ、補修が必要な所 不可 施主への報告、追加工事の説明
06 下地 下地を組んだ状態、補修した所、補強を入れた位置 不可 施主への報告、自社の記録
07 配管・配線 配管と配線の通り道、つないだ所、通した位置が分かる全体 不可 自社の記録、後の点検や修理
08 断熱・防水 断熱材や防水を施した範囲、端の納まり 不可 施主への報告、自社の記録
09 据付 設備を据えた状態、型番が読める銘板 可 自社の記録、後の点検や修理
10 仕上げ クロス、床、塗装などを仕上げた状態、取り合いの細部 可 施主への報告
11 完了 着工前と同じ立ち位置からの全景、細部、周りの傷の有無 可 施主への報告、施工事例
12 引き渡し 操作の説明をしている様子、保証書や説明書をそろえた状態 可 自社の記録

1つの場面は、遠く・中くらい・近くの3枚で撮ると、後から見ても迷いません。遠くの1枚で「どの部屋か」、中くらいの1枚で「どの場所か」、近くの1枚で「どんな状態か」が分かります。近くの写真だけが残ると、どの壁の写真か分からなくなります。追加工事や手直しが出たときは、一覧にない場面でも撮り、理由を写真一覧の説明に書きます。

工事の種類によって、逃しやすい写真は変わります。次の表は、上の一覧に足して確かめる所です。

工事の種類 閉じる前に撮っておく所の例
浴室 解体後の土台や柱の状態、給排水の位置、ユニットバスを据える前の床
キッチン 壁の裏の状態、給排水・ガス・電気の位置、換気ダクトのつなぎ、吊り戸棚の下地
トイレ・洗面 床をはがした後の状態、給排水の位置、手すりや棚の下地
内装 はがした後の下地、補修した所、断熱材を入れた範囲
外壁・屋根の塗装 洗浄の様子、ひび割れなどの補修、塗りの回ごとの様子、使った塗料の缶と色番号、足場があるうちに高い所
窓・玄関 外す前の枠の状態、取り付けた後のすき間の処理、製品のラベル

写真の名前は、工事番号_場面番号_部位_連番にそろえる

写真の名前は、並べ替えただけで工事の順番になる形にそろえます。この記事では R26-012_06_浴室A_01.jpg のように、工事番号、場面番号、部位、連番を _ でつなぎます。

部分 例 決め方
工事番号 R26-012 年と通し番号。見積もりや工事台帳と同じ番号にする
場面番号 06 前の節の番号。必ず2桁にする
部位 浴室A 部屋の名前と立ち位置の記号。工事の最初に決めた言葉だけを使う
連番 01 同じ場面と部位の中の通し番号。必ず2桁にする

場面番号を2桁にするのは、並び順を崩さないためです。文字の順に並べて試すと、1桁のままでは 10、11、12 が 1 と 2 の間に入りました。01 のように2桁にすると、01 から 12 まで順に並びました。数字を数として並べる画面もありますが、2桁にそろえれば、どちらの並べ方でも同じ順になります。

施主の名前は写真の名前に入れません。写真を協力業者に渡したときや、施工事例に使うときに、名前まで一緒に出てしまうからです。誰の工事かは工事番号で引けます。

名前には、Windowsで使えない文字 < > : " / \ | ? * を入れません。「浴室/洗面」のように書きたくなる所は、浴室洗面 か、別の部位に分けます。名前の最後に空白も入れません。Windowsではパスの長さが260文字までの環境もあるので、フォルダ名も短くします。

撮った写真のすべてに名前を付け直す必要はありません。同じような写真を何枚も撮ったときは、残す写真だけを選び、その写真に名前を付けます。

写真の置き場所は、工事ごとのフォルダを4つに分ける

写真の置き場所は、工事ごとのフォルダの中を、目的ごとに4つに分けます。いちばん大事なのは、撮ったままの写真を別に残すことです。台帳や施工事例のために縮めた写真から、元の大きさには戻せません。

工事写真/
  R26-012_浴室洗面/
    00_撮ったまま/     撮った写真をすべて、縮めずに入れる
    01_選んだ写真/     名前を付けた写真を入れる
    02_施主に渡す/     台帳のPDF
    03_施工事例用/     了承を取り、位置情報を消して縮めた写真
    R26-012_写真台帳.xlsx

写真は、スマホの中だけに置いたままにしません。機種変更や故障で失うほか、担当者が辞めると会社の手元に残らなくなります。その日のうちか翌日に会社のフォルダへ移すと決めます。パソコンの中だけに置かず、会社で管理するクラウドの保存先か外付けの機器にも、同じものを持ちます。

協力業者に写真を送ってもらう場合は、受け取り方を先に決めます。LINEで送ってもらうと、送る側の「送信する写真の画質」の設定によって画質が変わります。LINEの「設定」の「写真と動画」で確かめてもらうか、共有フォルダへ入れてもらいます。

iPhoneの写真は、設定によってHEIFという形式で保存されます。Microsoftのヘルプが挙げるExcelの「セル内に配置」の対応形式にも、Googleのヘルプが挙げるスプレッドシートの対応形式にも、HEIFはありません。台帳に使う端末は「設定」の「カメラ」の「フォーマット」で「互換性優先」にすると、JPEGで保存されます。

Excelで工事写真台帳を作る手順は、6つ

エクセル(Excel)で工事写真台帳を作るときは、最初に表紙、撮る場面、写真一覧、台帳の4枚のシートを名前だけ作ります。式が別のシートの名前を指すので、先にそろえておきます。中身はこの順に入れ、写真を貼るのは最後です。先に写真から貼ると、順番を変えるたびに貼り直しになります。ここの式は表計算のライブラリで試したもので、ExcelとGoogleスプレッドシートの実物では未実行です。試した範囲は「動かして確かめた結果」の節に書きます。

手順1. 表紙のシートを作る

シートの名前を「表紙」にします。A列に項目の名前を書き、B1に工事番号(R26-012)、B2に工事名、B3に現場の呼び方、B4に着工日、B5に完了日、B6に担当者を入れます。施主に渡す書類に現場の住所を載せるかどうかは、会社で決めておきます。

手順2. 撮る場面のシートを作る

シートの名前を「撮る場面」にして、1行目に項目を入れます。場面と部位の組み合わせごとに1行にします。12の場面と4つの部位なら、48行になります。工事に関係のない行は消すのではなく、E列を「不要」にしておくと、なぜ撮らなかったのかが残ります。

列 項目 入れ方
A 場面番号 数字(6)。表示形式を 00 にすると 06 と見える
B 場面 下地
C 部位 浴室A
D 撮り直し 可・不可
E 撮る 要・不要
F 撮る日 工程表から日付を入れる。閉じる場面は閉じる日の前日
G 枚数 式
H 判定 式

G2とH2に次の式を入れ、下の行へコピーします。

G2(枚数)
=IF(A2="","",COUNTIFS(写真一覧!$C:$C,A2,写真一覧!$D:$D,C2))

H2(判定)
=IF(OR(A2="",E2<>"要"),"",IF(G2>0,"済",IF(F2="","日を入れる",IF(F2<TODAY(),"撮り逃し",IF(F2-TODAY()<=1,"今日か明日","")))))

手順3. 写真一覧のシートを作る

シートの名前を「写真一覧」にして、1行目に項目を入れます。C列とD列には、「データ」の「データの入力規則」でリストを付けます。撮る場面のシートの列をそのまま指定すると同じ値が何度も並ぶので、表紙のシートのD列に場面番号、E列に部位を1つずつ並べ、その範囲を指定します。

列 項目 入れ方
A 撮影日 日付
B 撮影者 名前
C 場面番号 リストから選ぶ
D 部位 リストから選ぶ
E 連番 式
F ファイル名 式
G 説明 施主が読んで分かる一文
H 台帳の順番 台帳に載せる写真だけ 1、2、3 と入れる
I 事例に使う 使う写真に ○
J 確認 式

E2、F2、J2に次の式を入れ、下の行へコピーします。

E2(連番)
=IF(C2="","",COUNTIFS($C$2:C2,C2,$D$2:D2,D2))

F2(ファイル名)
=IF(C2="","",表紙!$B$1&"_"&TEXT(C2,"00")&"_"&D2&"_"&TEXT(E2,"00")&".jpg")

J2(確認)
=IF(C2="","",IF(NOT(ISNUMBER(A2)),"日付を確認",IF(COUNTIFS(撮る場面!$A:$A,C2,撮る場面!$C:$C,D2)=0,"表にない",IF(COUNTIF($F:$F,F2)>1,"名前が重複",IF(H2="","",IF(COUNTIF($H:$H,H2)>1,"順番が重複",""))))))

写真一覧には、新しい行を下へ足すだけにします。ファイル名を実際の写真に付けたら、その行のE列とF列をコピーして「値」で貼り付け、式を消します。理由は「動かして確かめた結果」の節に書きます。

手順4. 台帳のシートをA4に合わせる

シートの名前を「台帳」にして、1ページに写真3枚の形を作ります。A列が写真、B列が項目の名前、C列がその内容です。「表示」タブの「ページレイアウト」に切り替えると、列の幅と行の高さをセンチメートルで指定できます。単位がインチのときは、「ファイル」の「オプション」の「詳細設定」の「表示」にある単位の欄で変えます(ヘルプの表記は「ルーラー単位」や「定規単位」です)。

場所 大きさ
用紙と余白 A4縦、上下左右1.5cm(使える範囲は横18.0cm、縦26.7cm)
A列(写真) 11.0cm
B列(項目) 1.8cm
C列(内容) 5.0cm
1行目(題) 1.0cm
写真の枠 2行目から8行目の7行を各1.15cm。A2からA8を結合する
枠と枠の間 9行目を0.3cm
貼る写真 横10.7cm、縦8.05cm(横4:3の写真)

計算では、横は17.8cm、縦は1.0cm+8.05cm×3枠+0.3cm×3=26.05cmで、使える範囲に収まります。

手順5. 台帳の枠に式を入れる

A1に題を、B2からB8に項目の名前を入れ、C2からC8に次の式を入れます。C列の式は、写真一覧のH列に書いた順番から、説明や日付を呼び出します。

A1(題)
=表紙!B2&" 工事写真台帳"

C2(順番)
1

C3(撮影日)
=IFERROR(INDEX(写真一覧!$A:$A,MATCH($C2,写真一覧!$H:$H,0)),"")

C4(場面)
=IFERROR(INDEX(撮る場面!$B:$B,MATCH(INDEX(写真一覧!$C:$C,MATCH($C2,写真一覧!$H:$H,0)),撮る場面!$A:$A,0)),"")

C5(部位)
=IFERROR(INDEX(写真一覧!$D:$D,MATCH($C2,写真一覧!$H:$H,0)),"")

C6(説明)
=IFERROR(INDEX(写真一覧!$G:$G,MATCH($C2,写真一覧!$H:$H,0)),"")

C7(撮影者)
=IFERROR(INDEX(写真一覧!$B:$B,MATCH($C2,写真一覧!$H:$H,0)),"")

C8(ファイル名)
=IFERROR(INDEX(写真一覧!$F:$F,MATCH($C2,写真一覧!$H:$H,0)),"")

C3からC8の式の $C2 は、6行とも 2 のまま入力します。こう書くと、枠をコピーしたときに行番号が自動でずれます。

2行目から9行目までを行ごとコピーして、10行目と18行目に貼ります。行ごとにすると、行の高さも一緒に写ります。これで1ページ3枠です。C10を =C2+1、C18を =C10+1 に書き換えます。C3は日付の表示形式にします。25行目の下で改ページします。2ページ目は、2行目から25行目までを行ごと26行目に貼り、C26を =C18+1 に書き換えます。3ページ目からは、26行目から49行目までを続けてコピーすれば、順番は自動で続きます。改ページは「ページレイアウト」タブの「改ページ」から挿入し、「印刷範囲」で台帳の範囲を指定します。

手順6. 写真を貼り、PDFにする

写真は 01_選んだ写真 のフォルダから貼ります。「挿入」の「画像」から入れます。Microsoft 365とExcel 2024では「セルの上に配置」を選びます。「図の形式」タブ(版によっては「図の書式設定」や、「図ツール」の「書式」)の「サイズ」で幅を10.7cmにして、枠に合わせて動かします。写真が縦向きだと枠の中の余白が増えるので、台帳に使う写真は横向きで撮っておきます。

できあがったら、「ファイル」の「名前を付けて保存」で種類をPDFにします。「オプション」で保存する範囲を確かめます。ファイルを小さくしたいときは「最小サイズ」を選びますが、細部が必要な写真があるなら「標準」のまま、大きさを確かめて渡します。

なお、Microsoft 365とExcel 2024には、写真をセルの中に入れる「セル内に配置」があります。複数の写真を選ぶと、列の下方向へ一度に入ります。写真一覧に小さな写真の列を足して見比べたいときに使えます。

スプレッドシートで作るときに変える所

Googleスプレッドシートでも、シートの分け方と式は同じです。写真の入れ方と、印刷の整え方だけが変わります。現場の担当者が写真一覧をスマホで見たり、事務所と同時に入力したりするなら、スプレッドシートのほうが1つのファイルを保ちやすくなります。

変える所 Excel Googleスプレッドシート
写真の入れ方 セルの上に配置。365と2024はセル内にも入れられる 「挿入」の「画像」で、セル内かセル上を選ぶ
入れられる写真 セル内に配置はJPG、PNG、WEBPなど 50MB未満の .png、.jpg、.gif
大きさの指定 ページレイアウトでcm指定 行番号や列の文字を右クリックしてサイズを変更し、印刷のプレビューで合わせる
入力のリスト データの入力規則 データの入力規則のプルダウン
PDFにする 名前を付けて保存 「ファイル」の「ダウンロード」の「PDF」
共有 ファイルを回さず、1か所に置く 共有先を必要な人だけに絞る

スプレッドシートでは写真を入れたセルに文字を入力できないので、写真の枠と説明の欄は分けたままにします。

どちらを選んでも、ファイルをメールやチャットで回して別々に書き換える形は避けます。どれが最新か分からなくなるからです。

動かして確かめた結果

この記事の式は、2026年10月31日に、Node.js 24.22.1 の上で HyperFormula 3.5.0 を使って動かしました。HyperFormula は表計算の関数を計算するライブラリで、ExcelやGoogleスプレッドシートそのものではありません。Pythonの openpyxl 3.1.5 で実際の .xlsx ファイルを作り、そこから式を読んで計算しました。

架空の工事1件で、撮る場面48行、写真300行、台帳30枠を用意しました。枚数、連番、ファイル名、台帳に呼び出す内容を、別に書いた集計の処理と全件比べました。不一致は0で、確認の列にも誤った表示は出ていません。

判定の式は、日付を変えて次の結果になりました。

撮る日と写真の状態 H列の表示
写真なし、撮る日が昨日 撮り逃し
写真なし、撮る日が今日 今日か明日
写真なし、撮る日が明日 今日か明日
写真なし、撮る日が明後日 (空欄)
写真なし、撮る日が空 日を入れる
E列が不要 (空欄)
撮る日を過ぎているが、写真あり 済

動かす中で分かった、ずれやすい所は次のとおりです。

起きること 結果 この記事での手当て
写真一覧を撮影日で並べ替えた 枚数は合ったまま、300行のうち254行のファイル名が変わった 名前を付けたら、E列とF列を値で貼り付ける。並べ替えはしない
写真一覧の見出しを除いて10行目の写真を消した 299行のうち6行のファイル名が変わった 間違えた行は消さず、説明に取り消しと書く
値で固定した名前と、同じ名前が別の行にできた 2行に「名前が重複」 J列で見つける
部位の最後に空白が入った(浴室A ) 枚数に数えられず、確認に「表にない」 リストから選ぶ
場面番号を全角で入れた(2) このライブラリでは、確認に「表にない」、ファイル名はエラー。全角を数字として読む処理なら何も表示されない(Excelの実物は未確認) リストから選ぶ
撮影日が文字で入った(2026/10/20 が文字のまま) 確認に「日付を確認」 J列で見つける
台帳の順番を2枚に付けた 確認に「順番が重複」 J列で見つける
順番が空の行まで重複を数えた(このライブラリでの動き。Excelのヘルプは、空のセルは0と見なすとしている) 270行がエラーになった 順番が空なら数えない式に直した

写真を貼ったときのファイルの大きさも試しました。このブログの過去の写真16枚(長い辺が1,920〜2,560ピクセルのJPEG)を、openpyxlで台帳の枠へ入れた結果です。写真を入れる前のファイルは約0.04MBでした。

貼った写真 写真の合計 できたファイル
そのまま 6.62MB 6.46MB
長い辺1,600ピクセルに縮小 2.50MB 2.48MB
長い辺1,200ピクセルに縮小 1.53MB 1.54MB

ファイルの大きさは、貼った写真の合計とほぼ同じでした。写真の1枚が1MBなら、30枚で約30MBになる計算です。縮小は Python の Pillow で、JPEGの品質80で書き出しました。元の写真はすでにWeb用に圧縮されたものなので、スマホで撮ったままの写真は、これより大きくなるはずです。Microsoft 365の画像の既定の解像度は220ppiとされているので、Excelの実物で貼ると、大きさは変わることがあります。

動かせなかった所もあります。Excelの実物とGoogleスプレッドシートの実物では動かしていません。検証ではシート名に引用符を付けています。Microsoftのヘルプには、シート名にアルファベット以外の文字があるときは引用符で囲むとあるので、本文の式でエラーが出たら '写真一覧'!$C:$C のように囲んでください。台帳の枠はプログラムで並べたもので、手順5のコピーを手で試してはいません。手順3のリストの入力規則も試していません。写真の貼り付け、セル内への配置、図の圧縮、改ページ、PDFの保存も実物では試しておらず、手順はヘルプによるものです。A4に収まるかは計算だけで、印刷はしていません。使う前に、架空の写真を3枚貼って印刷のプレビューを見てください。

同じ位置から撮るコツは、立ち位置を図面に残すこと

着工前と完了の写真を見比べられるようにするには、撮る人の感覚に任せず、立ち位置を記録します。施主に変化が伝わる写真も、施工事例で使える写真も、同じ位置から撮れているかで決まります。

ポイント1. 着工前に、立ち位置を図面に書く

平面図の写しに、立ち位置と向きを矢印で書き、A、B と記号を付けます。この記号が、写真の名前の部位になります。担当者が変わっても、記号を見れば同じ場所に立てます。

ポイント2. 残る物を基準にする

床や壁は解体でなくなるので、基準には使えません。窓の枠、柱、残すドアの枠など、工事の後も残る物からの距離をメジャーで測り、図面に書きます。全部が変わる部屋では、隣の部屋との境にある枠を基準にします。

ポイント3. カメラの高さと倍率をそろえる

カメラの高さは、胸の高さのように決めておきます。倍率も、着工前と同じにします。狭い部屋で0.5倍の超広角を使ったら、すべての場面で0.5倍にします。写真は横向きにそろえます。

ポイント4. 着工前の写真を見ながら撮る

完了の写真を撮るときは、別のスマホかタブレットで着工前の写真を開き、横に置いて見比べます。端の柱や窓の位置が同じ所に来るように、立つ場所を前後に調整します。

ポイント5. 傾きと明るさをそろえる

iPhoneなら「設定」の「カメラ」で「グリッド」と「水平」をオンにすると、傾きを合わせやすくなります。照明は、着工前と同じ状態か、すべて点けた状態にそろえます。

場面ごとの写真には、小さなホワイトボードに工事番号と場面を書いて一緒に写すと、後から整理しやすくなります。施工事例にも使う写真は、ボードを入れない1枚も撮っておきます。

撮り忘れは、閉じる前の確認で防ぐ

工事写真の撮り忘れを防ぐには、撮れるうちに気づく仕組みを作ります。完了の写真は後から撮れますが、下地や配管の写真は、閉じた後には撮れません。確認は、毎日の中の3か所に置きます。

いつ 誰が 何を見るか
朝、現場に入る前 現場担当 撮る場面の判定で「今日か明日」と「撮り逃し」の行。今日閉じる所
閉じる作業の前 作業する人 閉じる所の写真を撮ったか。撮るまで閉じない
帰る前 現場担当 その日の写真にピンぼけや暗い写真がないか。工事番号の取り違え

撮る場面のシートで特に効くのは、F列の撮る日です。工程表を見て、閉じる場面に閉じる日の前日を入れておくと、閉じる2日前から「今日か明日」と出ます。閉じる日の当日は「撮り逃し」と出るので、閉じる前ならまだ撮れる合図として見ます。日付を入れていない行には「日を入れる」と出ます。工程が変わったら、F列も直します。

大工さんや設備の協力業者が作業する日は、担当者が現場にいないこともあります。閉じる所の写真は、誰が撮るかを工程の打ち合わせで決め、撮った写真の送り先も伝えます。

写真が撮れなかった場面は、写真一覧の説明やメモに、撮れなかったことと、代わりに残した記録を書きます。空のままだと、後から見た人が撮らなかったのか、なくしたのかを見分けられません。

施主への渡し方は、選んで、言葉を添えて、引き渡しの日に

施主に渡す工事写真台帳は、写真の量より、読めることを大事にします。専門の言葉と写真の羅列では、何を確かめればよいかが伝わりません。台帳に載せるのは、施主に見せられる写真だけにします。手直しの細かな記録や社内向けの写真は、写真一覧とフォルダに残します。

手順1. 載せる写真を選ぶ

着工前と完了を同じ立ち位置で並べる組と、壁や床の中など完成すると見えなくなる所を中心に選びます。写真一覧のH列に順番を入れると、台帳の枠に説明が入ります。

手順2. 説明を施主の言葉で書く

写真一覧のG列の説明は、工事を知らない人が読んで分かる一文にします。

社内の書き方 施主に渡す書き方
土台腐朽部補修 浴室の壁の中で傷んでいた木の部分を補修しました
給水管更新 床下を通る水の管を新しいものに替えました
下地補強 手すりを取り付ける壁の中に、支えの板を入れました

手順3. 渡す前に見直す

別の現場の名前が写っていないか、ご家族や職人の顔が写っていないか、施主に見せたくない部屋が入っていないかを、PDFにしてから見直します。

手順4. 渡し方を決める

渡し方は、施主に合わせて選びます。

渡し方 向いている人 気をつけること
紙で印刷して渡す 紙で保管したい人、ご年配の方 引き渡しの書類と一緒にとじる
PDFをメールで送る パソコンで見る人 個人のGmailの添付は25MBまで。超えると共有のリンクになる
共有のリンクを送る ファイルが大きいとき 見られる人を絞る。いつまで見られるかを伝える

工事が長いときは、途中で数枚だけスマホに送ると、施主は留守の間の様子が分かります。完了後にまとめる台帳とは別に、週に1回などと回数を決めておきます。

施工事例への流用は、6つの手順で進める

工事写真台帳を作っておくと、施工事例のページの材料がそろいます。写真も説明も、工事の後に思い出して書く必要がありません。流用するときは、施主に渡す台帳とは別に、公開用の写真を作ります。公開できる状態へ直す手間があるからです。

手順1. 施主に了承を取る

載せてよい範囲を、写真を見せながら確かめます。市や区までの地域、築年数、工事の費用をどこまで載せるかも一緒に確かめます。着工前の打ち合わせで話しておくと、完了の写真を撮るときに意識できます。

手順2. 事例に使う写真を選ぶ

写真一覧のI列に ○ を付け、フィルターで絞ります。着工前と完了は、同じ部位の記号で探すと組み合わせを見つけられます。ホワイトボードが写っていない写真を使います。

手順3. 写り込みを見る

写真の隅まで拡大して、次のものが写っていないかを見ます。

場所 見る物
建物の外 表札、車のナンバー、隣の家、周りの景色の目印
部屋の中 郵便物、カレンダー、家族の写真、薬や書類
工事の物 ボードや図面に書いた施主の名前、職人の顔、別の現場の名前

手順4. 位置情報を消す

スマホの写真には、撮った場所の情報が入っていることがあります。公開する写真には残しません。試しに、位置情報を入れた架空のJPEGを、Macに標準で入っている sips コマンドで1,200ピクセルに縮めたところ、位置情報は残りました。同じ写真を Python の Pillow で書き出したときは消えました。小さくしても消えるとは限らないので、作業の後に確かめます。

iPhoneから写真を送るときは、共有の画面の「オプション」で「位置情報」をオフにできます。パソコンで作業した写真は、公開の前にファイルの情報を開き、位置情報が残っていないかを見ます。

手順5. 写真を小さくして、公開用のフォルダへ入れる

03_施工事例用 に、縮めた写真を入れます。元の写真には手を付けません。写真の軽くし方の考え方は、式場サイトの画像を軽くする記事が業種は違っても参考になります。

手順6. 写真一覧の説明を、本文の材料にする

G列の説明を、工事の順に並べると、事例の本文の下書きになります。どんな困りごとがあって、壁の中がどうなっていて、何を直して、どう変わったかが、写真と一緒にそろいます。ページを検索に載せるための確認は、施工事例のコラムに書いています。

やってはいけないこと

工事写真台帳で、後から取り返しにくい失敗です。

ポイント1. 元の写真を縮めて上書きする

縮めた写真から元には戻せません。縮めるときはコピーで行い、00_撮ったまま には手を付けません。

ポイント2. 写真一覧を並べ替える

連番の式が残っていると、ファイル名が変わります。絞り込むときはフィルターを使い、名前を付けた行は値で固定します。

ポイント3. 閉じる場面の写真を、担当者の記憶に任せる

閉じてからでは撮れません。撮る日を表に入れ、撮るまで閉じない決まりにします。

ポイント4. 公開用の写真を、確認なしで流用する

施主の了承、写り込み、位置情報のどれかが抜けたまま公開すると、取り下げても控えられている場合があります。公開用の写真は、6つの手順を通したものだけにします。

ポイント5. ファイルをメールで回して別々に書き換える

どれが最新か分からなくなります。ファイルは1か所に置きます。

Excelでは足りなくなる線

Excelやスプレッドシートから仕組みへ移す線は、写真の枚数より、手間と事故で決めます。1工事ずつのファイルは、件数が少ないうちは分かりやすい形です。足りなくなるのは、次のことが起きたときです。

起きていること なぜ足りないか 次の手
複数の現場が同時に動き、事務所で写真の仕分けが追いつかない 誰の何の工事の写真かを、後から人が見分けている 撮るときに工事と場面を選ぶ形にする
台帳を作るのに1件で半日以上かかる 写真を1枚ずつ貼っている 写真と説明から台帳を自動で作る
過去の写真を探すのに時間がかかる ファイルが工事ごとに分かれ、横断して探せない 工事番号、部位、場面で探せる1つの記録にする
協力業者の写真が集まらない 送り先と入れ方が人によって違う 現場から同じ入口で写真を送れるようにする
工事番号を見積もり、工事台帳、顧客の表に何度も入れている 同じ内容を別々の表で持っている 工事番号を鍵にして1つの記録につなぐ
施工事例のページが更新されない 写真の選定から公開までの道がつながっていない 使う写真に印を付けると下書きができる形にする

1つ当てはまっても、すべてを作り直す必要はありません。まず写真の入口だけを整える、次に台帳を自動で作る、最後に見積もりや工事台帳とつなぐ、のように足りない所から直します。そのためにも、今のうちから工事番号を見積もりや写真とそろえておきます。手で作るか開発するかの分かれ目はノーコードと開発の分かれ目の記事に、表の内容を移す手順はExcelから業務システムへのデータ移行の記事に書いています。

工事を始める前のチェックリスト

工事写真台帳を使う工事で、着工の前に次の項目を確かめます。

  • 工事番号を決め、見積もりや工事の書類と同じ番号にした
  • 空のひな形をコピーして、この工事のファイルを作った
  • 工事ごとのフォルダを4つに分けて作った
  • 撮る場面の表で、工事に関係のない行を「不要」にした
  • 平面図に立ち位置と向きを書き、部位の記号を決めた
  • 残る物からの距離をメジャーで測って図面に書いた
  • 閉じる場面のF列に、閉じる日の前日を入れた
  • 閉じる場面を誰が撮るかを決め、協力業者に伝えた
  • 写真の送り先と画質の設定を伝えた
  • スマホの保存形式をJPEGにした
  • 公共工事、補助金、保険の指定がある工事かどうかを確かめた
  • 施工事例に使ってよいかを施主に話した

自社でやる場合と、任せる場合

自社でやる場合は、この記事の表と式でひな形を作ります。続けるのに要るのは、現場で撮る人、写真を移して写真一覧を入れる人、引き渡しの前に台帳を仕上げる人です。小さな会社では現場担当が兼ねることが多いので、写真を移す曜日や時間を決めておきます。どの写真を見せるか、施主にどう説明するかは、任せる場合でも会社の側でしか決められません。

任せる場合、株式会社bundlyzeは、Web・システムのことは何でも対応できます。ホームページ制作と業務システム開発を受けています。工事写真の入口と台帳の仕組みづくり、工事番号で見積もりや顧客の記録をつなぐ開発、施工事例のページづくりまで受け持てます。工事写真や台帳の仕組みの相談はシステム開発の案内ページから、ホームページの相談はホームページ制作のご案内から受け付けています。

出典(一次情報)

Excel、スプレッドシート、スマホ、メールの機能についての説明は、次の公式の資料に基づいています。確認日はどれも2026年10月31日です。ヘルプは更新されることがあるので、作業の前に最新のものを確かめてください。

12の場面の分け方、工事の種類ごとの表、名前の付け方、フォルダの分け方、シートの列、A4の寸法、同じ位置から撮るコツ、確認の時期、足りなくなる線の表は、この記事で決めた進め方で、上の資料が示した手順ではありません。動かした結果は架空のデータと、このブログの過去の写真によるもので、実際の工事の数字ではありません。

よくある質問

工事写真台帳は、何から作ればよいですか?

着工前に、撮る場面の一覧を工事に合わせて作るところから始めます。場面と部位を1行ずつ並べ、撮る日を入れます。次に写真一覧のシートで1枚ずつ記録し、最後に台帳のシートへ載せる写真を貼ります。先に表を作っておくと、壁や床を閉じる前にどの写真が足りないかが分かります。

工事写真台帳と工事写真帳は違うものですか?

この記事では同じものとして扱います。どちらも、工事の場面ごとの写真に日付や説明を添えてまとめた書類を指す呼び方です。公共工事のように発注者から形式を指定されている場合は、その指定に従ってください。

工事写真台帳はExcelとスプレッドシートのどちらで作るのがよいですか?

事務所のパソコンで1人が作り、A4で印刷やPDFにするならExcelが扱いやすいです。現場の担当者と事務所が同時に写真一覧を見るならGoogleスプレッドシートが向いています。この記事の式はどちらでも同じ形です。写真の入れ方だけが違います。式はどちらの実物でも未実行なので、使う前に架空の数行で試してください。

Excelの工事写真台帳が重くなったら、どうすればよいですか?

貼る前に写真を小さくします。openpyxlで.xlsxを作って試したところ、ファイルの大きさは貼った写真の合計とほぼ同じになりました(Excelの実物で貼った数字ではありません)。元の写真はフォルダに残し、台帳には横1,200〜1,600ピクセルに縮めた写真を貼ると、ファイルは軽くなります。図の圧縮の機能も使えますが、細部が落ちることがあるので、元の写真は別に残します。

撮り忘れた写真は、後からどうすればよいですか?

仕上げや完了の写真は撮り直せますが、解体後や下地、配管の写真は閉じた後には撮れません。撮れなかった場面は、作業の記録や図面の写しと一緒に、撮れなかったことを写真一覧に書いて残します。同じことを防ぐには、閉じる日を場面の一覧に入れ、前日までに足りない写真を知らせる形にします。

この記事の書き方と確認の方針