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ホームページ制作を依頼する前に社内で決めておくこと。更新する人、写真の用意、問い合わせの受け方、公開後の数字の見方を、制作会社の側から見た順で

ホームページ制作を依頼する前に、社内で決めておくことを制作会社の側から整理します。窓口と決める人、更新の担当、写真の出どころと使える範囲、問い合わせの届く先と返す人、公開後に数字を見る人まで。

この記事の結論:ホームページ制作を依頼する前に社内で決めておくことは、デザインの好みより「役割」です。①制作会社とやり取りする窓口と、最後に決める人、②公開後に何をどの頻度で更新する人、③写真を撮る・集める人と、その写真を使ってよい範囲、④問い合わせが届く先と、返事をする人と期限、⑤公開後に数字を見る人と、見る日、の5つが決まっていれば、制作は止まりにくくなり、公開した後も放置されません。制作する側から見ると、作業が止まりやすいのは技術の場面より、社内で誰が決めるかがはっきりしない場面です。

この記事は、これからホームページ制作を外部に頼もうとしている中小企業の経営者や担当者に向けて、社内で先に決めておくと進めやすいことを、制作する側の立場から整理したものです。どんな人に向けたサイトにするか、何を伝えるかといった中身の決め方や、制作会社の選び方は扱わず、社内の分担と運用の決めごとに絞ります。

ホームページ制作を依頼する前に決めるのは「誰が」の5つ

ホームページ制作を依頼する前に社内で決めておくことは、窓口、更新、写真、問い合わせ、数字の5つの担当です。どれも制作が始まってから決めようとすると、その時点で作業が止まります。

決めること 決める人の例 決まっていないと止まる場面
窓口と最後に決める人 経営者 確認の返事が来ない。終盤で方針がひっくり返る
更新する人と頻度 現場の責任者 更新の仕組み(CMS)の作りが決まらない
写真を用意する人と使える範囲 総務や広報 素材がそろわず、仮の画像のまま公開が近づく
問い合わせの届く先と返す人 営業や受付の責任者 フォームの通知先と自動返信の文面が決まらない
数字を見る人と見る日 経営者か現場の責任者 公開後、計測の設定が誰にも見られない

5つすべてを別の人にする必要はありません。小さな会社なら経営者1人が兼ねることもありますが、その場合も「兼ねている」と決めておくことが大事です。

窓口と最後に決める人を分け、確認の期限を決めておく

制作会社とやり取りする窓口の人と、最後に決める人が別なら、その2人を最初に制作会社へ伝え、確認を返す期限も決めておきます。確認の往復が長引くことは、制作の期間が延びるよくある原因の一つです。

制作の途中で社内の確認が必要になる場面は、だいたい次の4回です。

  1. 構成(どのページに何を載せるか)の確認
  2. 原稿の確認
  3. デザインの確認
  4. 公開前の最終確認

窓口の担当者が各回の確認をまとめ、最後に決める人が「これで進める」と返す、という流れを決めておきます。最後に決める人が最終確認の段階で初めて全体を見ると、構成から直したくなることがあり、その手戻りは大きくなります。各回で一度は目を通してもらうのが安全です。

更新する人は、名前と頻度と「更新しないもの」まで決める

公開後に更新する人は、担当者の名前と、何をどのくらいの頻度で更新するかまで決めます。ここが決まると、制作会社は更新の仕組みを「その人が迷わない画面」に合わせて作れます。

更新する情報 担当 頻度の例 社内で更新しない場合
お知らせ(休業日、営業時間の変更) 受付や総務 月に数回 制作会社に依頼する手順を決める
事例・実績 営業 案件が終わるたび 掲載の可否を誰が判断するかを決める
採用情報 総務や人事 募集を出すたび 締め切った募集を下げる人を決める
スタッフの紹介 総務 入社・退職のとき 退職した人の掲載を止める期限を決める
会社の基本情報 経営者 変わったとき 住所や電話番号が変わる前に連絡する

「更新しないもの」を決めておくことも大事です。全部を社内で直せるようにすると、更新の画面が複雑になり、結局だれも触らなくなります。社内で更新するものだけを入力欄にし、それ以外は制作会社に頼む、と線を引いた更新の画面の作り方は、社員が更新できるCMSの設計の記事で詳しく書いています。

更新に使うアカウントは、担当者個人ではなく役割ごとに作るか、少なくとも退職や異動のときに誰が引き継ぐかを決めておきます。

写真は、撮る・借りる・買うを分けて、使ってよい範囲を記録する

写真は、新しく撮るもの、手元にあるものを使うもの、素材サイトから買うもの、の3つに分け、写真ごとに「誰が写っているか」と「使ってよい範囲」を記録してから制作会社に渡します。あとから使えない写真だったと分かると、差し替えでページ全体の見え方が変わることがあります。

写真の出どころ 社内で確かめること
新しく撮る 撮影する日、場所、写る人。写る人に掲載の了承を取ったか。退職した場合の扱い
手元にある写真 誰が撮ったか。前の制作会社や撮影者が撮った写真なら、新しいサイトでも使ってよいか
お客様が写っている写真 掲載の了承を取っているか。顔が分からない写真で代えられないか
素材サイトの写真 利用規約で、会社のサイトに使ってよいか。加工してよいか
ロゴや取引先の名前 ロゴの元データがあるか。取引先の名前を出す了承を取っているか

撮影する場合は、どのページのどこに使うかを先に決めてから撮ると、撮り漏れが減ります。たとえば「代表あいさつに使う顔写真」「事務所の入口」「作業中の手元」のように、使う場所の一覧を撮影の前に作っておきます。

問い合わせの受け方は、届く先と返す人と返す期限を決める

問い合わせの受け方は、フォームの通知が届くアドレス、返事をする人、返事をするまでの期限の3つを決めます。フォームを作るのは制作会社ですが、届いた後の動きは社内でしか決められません。

決めること 決め方の例
主に受ける手段 フォーム、電話、LINEのうち、どれを主にするか。サイトのボタンの順番もこれで決まる
通知が届くアドレス 個人ではなく、部署や役割の共有アドレス
返事をする人 内容ごとに担当を分けるか、1人が振り分けるか
返事の期限 何営業日以内に返すか。フォームの完了画面と自動返信にも同じことを書く
休みの日の扱い 連休中に届いたものを誰がいつ確認するか
営業の売り込みの扱い 返事をしないものの基準
個人情報の扱い 問い合わせで受け取る情報を何に使うか(プライバシーポリシーの文面を誰が用意するか)

自動返信のメールがお客様に届かないと、問い合わせた人は「送れたのか」と不安になります。Gmailのメール送信者のガイドラインは、Gmailのアカウントにメールを送るすべての送信者に、送信元ドメインのSPFまたはDKIMの認証などを求めています。自社のドメインから自動返信を送るなら、ドメインの設定を管理している人が誰かを、制作会社に伝えておきます。

フォームで受け取る名前やメールアドレスは個人情報です。個人情報保護法第21条第2項は、本人から直接書面(電磁的記録を含む)で個人情報を取得する場合、あらかじめ利用目的を明示することを求めています。フォームの近くに利用目的を示すか、プライバシーポリシーへ移れるリンクを置くことを、社内で用意する文面と一緒に決めておきます。

公開後の数字は、見る人と見る日と「見た後に決めること」を先に決める

公開後の数字は、何を見るかより先に、誰が、いつ見て、見た結果で何を決めるかを決めておきます。計測の設定は制作会社ができますが、数字を見て次の手を決めるのは社内の仕事です。

数字 見る場所 見た後に決めること
問い合わせの件数と内容 フォームの通知、社内の記録 増えた・減ったときに、どのページを直すか
問い合わせの送信 Googleアナリティクス(キーイベント) どのページから来た人が問い合わせたか
検索で表示された語 Search Console 狙っていない語で来ているページの見出しを直すか
よく見られているページ Googleアナリティクス そのページから問い合わせへの導線を足すか

問い合わせの送信のような重要な行動は、Googleアナリティクスでキーイベントとして数えられます。一方で、検索の数字を見るサーチコンソールは権限がいくつかに分かれ、フルユーザーや制限付きユーザー、確認済みの所有者、委任された所有者があり、所有者だけがユーザーの追加や削除を行えます。制作会社が設定する場合でも、所有者は自社のアカウントにしておくと、制作会社が変わっても数字を見続けられます。

数字を見る日は、月に1回など決まった日にし、経営者と現場の責任者が一緒に見る形にすると、「見たけれど何も決まらない」を防げます。

制作会社に渡す「社内の決めごと」を1枚の表にする

ここまでの決めごとは、1枚の表にまとめて最初の打ち合わせで制作会社に渡します。決まっていない項目は空欄のままで構いません。空欄があることが分かれば、制作会社は「いつまでに決めるか」を工程に組み込めます。

項目 記入例
窓口 総務の担当者
最後に決める人 代表
確認を返す期限 依頼を受けてから3営業日以内
更新する人と更新する情報 受付:お知らせ/営業:事例
写真を用意する人 総務の担当者(撮影日は別途相談)
問い合わせの通知先 共有アドレス
返事をする人と期限 営業の責任者、2営業日以内
ドメインの設定を管理している人 未定
数字を見る人と日 代表と営業の責任者、毎月第1月曜

株式会社bundlyzeでは制作そのものと並行して、外部のWeb責任者という立場で戦略づくりから実行、分析までを担うWEB戦略代行にも取り組んでおり、この表の空欄を一緒に埋めるところからご相談をお受けしています。制作の流れと範囲はWebサイト制作の案内ページで確かめられます。

参照したヘルプと法令(2026年10月3日、すべて閲覧済み)

よくある質問

社内でWebに詳しい人がいなくても、ホームページ制作は頼めますか?

頼めます。社内で決めておいてほしいのは技術の話ではなく、確認を返す人、最後に決める人、公開後に更新する人、問い合わせに返事をする人、という役割です。役割が決まっていれば、操作の方法や設定は制作会社が説明しながら進められます。

写真はプロに撮ってもらわないといけませんか?

必ずではありません。社内で撮った写真でも、明るさと構図に気をつければ使えます。大事なのは、誰が写っているか、写っている人が掲載を了承しているか、前の制作会社や撮影者の写真なら今後も使ってよい範囲か、を写真ごとに記録しておくことです。

問い合わせの通知先を、担当者の個人アドレスにしてもよいですか?

避けたほうが安全です。担当者が休んだり異動したりすると、問い合わせが誰にも読まれなくなります。部署や役割の共有アドレスで受け、誰がいつまでに返事をするかを社内で決めておきます。