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ネームサーバーだけCloudflareに移し、サイトを止めずに切り替えた2段階の手順

Xserverで登録したドメインのネームサーバーだけをCloudflareへ移し、表示を止めずに新サイトへ切り替えた記録です。DNSのみで写す段階と向き先を変える段階に分けた理由、digでの確かめ方、戻し方をまとめます。

この記事の結論:ドメインの登録はXserverに置いたまま、ネームサーバーだけをCloudflareへ移しました。サイトを止めないために、作業を2つに分けています。1段階目は、旧DNSと同じレコードをCloudflareに写し、すべてプロキシを切った「DNSのみ」にしてからネームサーバーを変えること。この時点では、どちらのDNSに問い合わせても旧サーバーの住所が返るので、見た目は何も変わりません。2段階目は、Cloudflareが有効になったのを確かめてから、Webの2つのレコードだけを新サイト(Cloudflare の Pages)に向け直すことです。どちらの段階も、戻す操作が1か所で済むようにしてあります。

このブログを WordPress(Xserver)から Cloudflare の Pages に載せ替えたときの、DNSまわりの作業だけを切り出した記録です。値や確認の結果は、2026年10月2日に手元で dig と curl を打って確かめたものです。

なぜ1回で切り替えなかったのか

ネームサーバーの変更と、Webの向き先の変更を同時に行うと、問題が出たときに原因を切り分けられません。しかも、ネームサーバーの変更は自分で時間を決められない作業です。

変更 誰が反映を決めるか 反映の速さ 戻すときの操作
ネームサーバーの付け替え 登録業者と、.com の上位サーバー すぐには揃わない(下で説明) 登録業者の管理画面で元に戻す
Webのレコードの向き先 Cloudflareの管理画面(自分) 速い(TTLが短い) Cloudflare上でレコードを戻す

遅くて自分で制御できない方を先に、しかも「何も変わらない形」で済ませる。速くて自分で戻せる方を後に回す。これが2段階に分けた理由です。

段階0:今のDNSを、1行も漏らさず書き出す

最初にやったのは、Xserver側のDNSレコードを表に書き写すことでした。これが、そのまま切り戻しの台帳になります。

種類 名前 中身(このブログの場合) 移したあとの扱い
NS — Xserverのネームサーバー5台 Cloudflareの2台に変更
A apex(www なし) 旧サーバーのIP 段階2で新サイトへ
A www 旧サーバーのIP 段階2で新サイトへ
A mail・その他のサブドメイン 旧サーバーのIP そのまま残す
MX apex 旧サーバー そのまま残す(メールは使っていない)
TXT apex SPF(送信元の許可リスト) そのまま残す

あわせて、次の2つを先に確かめました。

  • DNSSECが有効になっていないか。Cloudflareの手順書は、DNSSECが有効なままネームサーバーを替えるとドメインに届かなくなる場合があるので、先に登録業者側で切るよう書いています。このドメインは、dig +short DS yamayamabloglink.com が何も返さず、DNSSECは使っていませんでした
  • ドメインの無料特典が、サーバー契約にひも付いていないか。Xserverでは、サーバー契約の特典でドメインの更新料が無料になっていることがあります。新サイトに移ってもサーバーをすぐ解約しなかったのは、切り戻し用に残すためと、この特典が外れるのを避けるためです

段階1:DNSのみで写して、ネームサーバーを変える

  1. Cloudflareでドメインを追加し(Freeプラン)、自動で読み込まれたレコードを段階0の表と1行ずつ見比べる。足りないものは手で足す
  2. A・CNAMEのレコードを、すべて プロキシなし(DNSのみ) にする
  3. Cloudflareが割り当てた2つのネームサーバー名を控える
  4. Xserverの管理画面で、ネームサーバーを「その他」にして、控えた2つを入れて保存する
  5. Cloudflareから、ドメインが有効になった知らせが来るのを待つ

2が肝心です。Cloudflareの説明では、DNSのみのレコードには登録したとおりの元のIPが返り、プロキシありのレコードにはCloudflareのIPが返ります。DNSのみにしておけば、新しいネームサーバーに聞いても古いネームサーバーに聞いても、返る住所は同じ旧サーバーです。反映の途中で読者がどちらに当たっても、同じWordPressが表示されます。

Cloudflareの手順書には、自動の読み込みはすべてのレコードを見つけられるとは限らないこと、必要なレコードがないまま有効にすると名前が引けなくなることも書かれています。表を先に作ったのは、この見比べのためでもありました。

段階1が終わったことを、dig で確かめる

管理画面の表示だけでなく、外から実際に引いて確かめました。

ネームサーバーが切り替わったかを見るsh
# 普段使っているリゾルバー経由
dig +short NS yamayamabloglink.com
# .com の上位サーバーに直接(キャッシュを通さない)
dig +norec NS yamayamabloglink.com @a.gtld-servers.net

2026年10月2日の結果は、どちらも jaziel.ns.cloudflare.com と melina.ns.cloudflare.com でした。上位サーバーの答えには、有効期間(TTL)として 172800(秒、つまり2日)が付いています。古いネームサーバーの情報を覚えた環境が、最大でこれくらい残りうるということです。段階1を「何も変わらない形」にしたのは、この2日を気にしなくて済むようにするためでした。

段階2:Webの2つのレコードだけを、新サイトへ向ける

ネームサーバーがCloudflareに移ったのを確かめてから、Webの向き先だけを変えました。

レコード 変更前 変更後
apex(www なし) A:旧サーバーのIP(DNSのみ) CNAME:yamayamabloglink.pages.dev(プロキシあり)
www A:旧サーバーのIP(DNSのみ) CNAME:yamayamabloglink.pages.dev(プロキシあり)
それ以外(mail・MX・TXT など) — 変えない

apex(www なし)を Pages につなぐには、そのドメインのネームサーバーがCloudflareにあることが条件です。段階1を先に済ませたのは、この条件を満たすためでもあります。また、Pages の説明には、先に Pages のプロジェクト側でカスタムドメインとして登録せず、CNAMEだけを手で作ると名前が解決されない、とあります。順番は「Pagesにドメインを登録 → レコードを向け直す」です。

正式なアドレスは www 付きにそろえ、www なしと *.pages.dev に来たアクセスは、Pages の Functions(リクエストごとに動く小さなプログラム)で、同じパスの www へ 301 で送っています。

段階2のあとに、外から確かめたこと

切り替え後の確認sh
dig +short yamayamabloglink.com
curl -sI https://www.yamayamabloglink.com/
curl -sI https://yamayamabloglink.com/about/
curl -sI http://www.yamayamabloglink.com/
見た項目 結果(10月2日)
apex を引いたときの住所 CloudflareのIPが返る(プロキシが効いている)
www のトップ 200
www なしの記事URL 301 で、同じパスの www へ
http の www 301 で https へ
mail のサブドメイン 旧サーバーのIPのまま(触っていない)

戻すときの手順

段階ごとに、戻す操作を1つに絞ってあります。

どこまで進んだか 戻す操作 戻ったあとの状態
段階1の途中・直後 Xserverでネームサーバーを「Xserverのネームサーバー」に戻す 元のDNSで、元のWordPress
段階2のあと Cloudflareで apex と www を、元の A レコード(DNSのみ)に戻す Cloudflareのまま、元のWordPress

どちらも、旧サーバーを残しているから成り立つ戻し方です。サーバー契約の解約は、新サイトで問題がないと確かめられてから判断します(それまでは、いつでも元に戻せる)。

株式会社bundlyzeでは、会社サイトのDNSを触ったときも、変更前の値を切り戻し用に書き残してから作業しました。DNSの移し替えやサーバー構成の見直しは、bundlyzeのクラウド・インフラ構築でもご相談を受けています。

出典

下の3つは、2026-10-02 に記述を確認しました。

よくある質問

ネームサーバーを変える前に、Cloudflare側で何を用意しておけばいいですか?

今のDNS業者に登録してある全レコードを、Cloudflareにも同じ値で作っておきます。自動の読み込みは取りこぼすことがあるので、変更前に書き出した一覧と1行ずつ見比べます。Webの向き先になるレコードは、プロキシを切った「DNSのみ」にしておくと、移ったあとも同じサーバーに届きます。

ネームサーバーの変更が全体に行き渡るまで、どのくらいかかりますか?

Cloudflareの手順書は、登録業者側の更新に最大24時間かかる場合があると書いています。.com の場合、上位のサーバーが返すネームサーバー情報の有効期間は172800秒(2日)なので、古い情報を覚えている環境もしばらく残ります。どちらに問い合わせても同じ答えが返る状態にしておくのは、このためです。

ドメインの登録先(レジストラ)もCloudflareに移す必要がありますか?

ありません。登録はXserverのままで、ネームサーバーの欄をCloudflareが指定する2つに書き換えるだけで切り替わりました。登録先の移管は、更新料や手続きが別にかかる話なので、DNSの移動とは切り離して考えています。